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ARROWS Tab QH55/M(WQ1/M)を1カ月弱ほど使ってみて

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「初期不良だ」ということになって新品交換してもらうことになったウチのQH55/M。昨年の12/23には代替機が届きまして、それから1カ月...まではいかないですけども、ほぼ毎日さわってます。
なのでそろそろいいかなーと思い、感想を書きとめておこうかと。

■製品不良について
まず気になるのが、色々言われている製品不良は解消されているのかってこと。
具体的にはこの製品の場合、次のような点がネットでちらほら見かける不具合と言われているものたちです。
1) CPUがバースト(クロックアップ)してくれない。
2) スリープからの復帰で画面が暗転したまま操作不能になる。
3) スリープから復帰できたと思ったらそのままフリーズして操作不能になる。
4) 新品なのにバッテリーが劣化してると判定される。
5) バッテリー残量が100%なのに、いきなり電池切れになる。
6) バッテリー残量表示が100%のまま変化しない。
7) スリープ中の電力消費が激しい。
8) ヘッドホン使用時のノイズがひどい。

このうち、1)についてはBIOSのアップデートで解消済み。前回の個体も、今回新しく届いた代替品でも、この新しいBIOSが適用されていて問題ありませんでした。
前回の個体で発生していた症状は2)~7)。うち、4)~6)のバッテリーまわりについては、どうも初期リフレッシュ動作をユーザー側で行う必要があったみたいで、一度バッテリーが空になるまで使った後、ACアダプタにつないで充電ランプが消えるまで放置。これを何度か繰り返してバッテリーのサイクルカウントが2~3ぐらいになるまで進むと、まともに使えるようになりました。
というわけで、2)、3)、7)の不良が前個体では解消できない不良として発生しており、特に2)が問題だったので交換とあいなったわけです。

で、新しく届いた代替品はというと、2)の症状は一切出ません。いつでも問題なくスリープから復帰します。
4)~6)のバッテリーまわりについても、当初から問題なし。バッテリーのサイクルカウントが0の状態でちゃんとフルに性能を発揮してくれるというのは気持ち良いです。
3)のフリーズは使っていくうちに数回発生するようになりました。最初はATOK2013が怪しいかなと思ったのですが、多分真犯人はWin8以降で導入された「高速スタートアップ」じゃないかと想像しています。高速スタートアップ機能をオフにしてからここ10日間くらいは、スリープ復帰後のフリーズに悩まされることもなくなりました。
残るはスリープ中の電力消費...ですが、これは多分富士通製のプリインストールソフトがなんか悪さしてるんだろーってことでまだ検証中です。いろいろ削って、今は1時間に1%減る感じ。

あと何気に新しく届いた個体は電源ボタンの押し心地が良くなっています。前のとちがって「コク」という案配のクリック感があり、確実に押すことができる。ほんと交換してよかった!

■CPUスペックについて
基本的にストアアプリや、デスクトップ機で軽量級とされるソフトはほぼサクサク。Photoshopとかの重量級ソフトで印刷前提解像度使ってペンで書いたりするのは「無茶言うな」レベル。意外とIllustratorは動く感じなので、小さいカット描きくらいなら使えるかなー...とは思いますが、後述するペンの精度的なものがあるので、あまり「やりたい」と思える作業ではないです。

Latitude10を使ってた時は、ストアアプリのOneNoteやSolitaireなど、ちょっと高機能であったり、リッチな画面を持ってたりするものは軒並み重さを感じたので、「まだ実用化一歩手前」みたいな感覚が残ってたんですが、QH55/Mだとほんと快適です。

■ペンの精度について
とりあえず格子を書いてみました。
まずペン先の位置設定をリセットした状態がこちら。
位置調整リセット直後の状態
ペン先位置を、自分の使いやすい状態に設定した後がこちら。
位置調整済みの状態
調整ではカーソルを視認しやすい位置に持ってきているので、調整後の方が逆にずれてるように思えるところもちらほらと。ただ、リセット状態では上下方向のズレは少ないですが、左右方向がけっこう派手にズレて(しかも右側に)くれているので、設定せずに使えるような状態ではありません。

あと悲しいことにけっこう揺れが出ている様子。しかも画面端ではない中央部でも揺れが出てる。描いてて気になるほどの揺れではないのですが、返品前のものを確認してみたらやっぱり同じ傾向が見てとれたので、これはもうこういうもんなんでしょう。
個人的には多少の揺れよりも、傾き補正がないことの方が気になります。けっきょくタブレットの持ち方を変えるとペン先のあて方(角度)も変わるので、色んな姿勢で使うタブレット製品にこそ傾き補正を入れて欲しいなあ...と。

これまでに使った液タブ製品をランク付けすると、調整でペン先に近づけることができる...という意味では次のような感じ。
Cintiq各種 > (越えられない壁) > ThinkpPad X61T > QH55/M > Latitude10 >> ThinkPad Tablet2
カーソルがペンの裏にまわりこんで見えなくなるような致命的な状態はつぶせるので、その点ではQH55/Mの方がLatitude10より優れています。Latitude10は、調整がどうもうまく働いてくれないのです。
一方で、Latitude10は描画域内(画面フチ上下左右1.5cmより内側)に関しては線の挙動が安定していたので、その部分の精度ではQH55/Mの方が劣ります。ちゃんとまっすぐ線がひけるもんねあっちは

ただ、CPUスペックの向上がキビキビしたペンの追随性につながっているところもあるので、精度面で見える以上にQH55/Mの方がペン操作は快適です。でもやっぱりまあ「仕事で仕上げまで使いたい」と思える精度ではなく、そこは高望みしちゃいかんとこだなーと。

■画面の広さ
10.1型の画面に、2,560×1,600という高解像度。ドットなんか見えません。ヘンに画面がギラつくこともなく落ち着いた画質で、いわゆる「自炊」したコミックの読書端末としても快適です。なんせ見開き表示したコミックで、ひとつひとつのルビまではっきり読める。ドットが視認できないレベルだから、主線にディザが見てとれることもない。
しかも画面比率がWindowsタブレット定番の16:9というくされ横長画面じゃなくて、16:10とやや縦が広くとられているので、コミックを見開き表示した時の相性も良くなってます。

この縦の広さは、OneNoteでメモを取る時や、グラフィックソフトで絵を描く時にも、「あれ?広い!?」と意外に実感する部分なので、使えば使うほどうれしくなってくる点です。

■総括
そんなわけで、やっぱりざっくりした感想になっちゃってますけど、総括すると「不具合のない個体に当たればかなりの良機」「ペンの精度はちょっと残念ながら、キビキビした動作が気持ち良いので、メモや落書きレベルならかなり快適」というのが自分の実感です。ペンが内蔵式ってとこも良いんですよね。思いついた時にさらさらーと描けるので。

あと本機を使うに当たっては、必要ないと判断できた富士通製プリインストールソフトは削除しまくった方が良いと思います。
指紋認証用ソフトとしてOmniPassという常駐ソフトが入っているのですが、これを削除してWindows標準の指紋認証に任せた方が、判定ミスは断然減るし認証の速度も向上しました。しかも、ATOK2013で入力時にいつも「一文字目の入力が破棄される」という現象に悩まされていたものが、OmniPassを消したらそれも解消。他にもスマホと連携するためにF-LINKやら、なんかメディアサーバー系のソフトも色々常駐しているみたいなので、ひとつずつ確認してアンインストールしていこうかと思っています。このへんは、まさに「ああ富士通だなあ...」って感じですね。

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2014年1月15日 11:55に投稿されたエントリーのページです。

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