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最近はもう何をするにも忘れっぽいので、せっかくコツを掴んでもしばらく他のテーマの作業が続けば、「あれ?なんだっけ?」となりがちなのは想像に難くありません。そんなわけで、先週ペアマグカップを作った時に自分なりに掴んだコツを、書き記しておこうなどと思ったのでした。
基本的に粘土はろくろの上に固まりで置いて、それを真上に伸ばしていって、必要なだけ上に伸びたら、横に広げていくことで目的となる器の形を作ります。これが乾燥の過程と素焼き~本焼きの過程でけっこう縮むもんだから、ちょっと大きめのカップを作ろうと思うと、その2割増しくらいのサイズにはしておかないと、案外小さく仕上がってあれれーとなる。そのためには最初にしっかり大袈裟なくらい上へ立ち上げておく必要があるわけです。
で、特に作成当初失敗につながっていたのがこの「上に持ち上げる」意識のせいでした。なんか粘土に所々薄い部分ができて、立ち上げたと思ったら腰折れしちゃう。ぐいと引っぱり上げていたもので、引っ張られた部分の下が必要以上に伸ばされてしまってたんですね。そのせいで、そこだけが薄くなってた。
粘土が上に伸びるというのは「結果そうなる」ものであって、引っ張るわけじゃない。手で粘土を包んでやって、上にだけ空間を残しておく。その状態で圧力をかければ自然と上に伸びるんですね。それに気付いてからは、必要な厚みを保ちながら、上へ上へと伸ばせるようになって最初の形を作りやすくなりました。
容器の内側の形ができたら、ちょっと乾燥させてから裏返して外側を削ります。そこで高台を作ったりするんですけど、裏返してるわけだから当然厚みを目視することができません。開口部がないので、指で挟んで確認することもできやしない。
そうすると僕なんかは削りすぎになるのが怖くて、恐る恐るでしか削れません。自然と底に近い場所ほど無駄に厚みが残ってしまって、重くて使いづらい器になっちゃう。
「なんとかなんかいかなこれ」
そう思って指で叩いてたら、ふと音が違うことに気付きました。容器の口側、すでに薄くなってる所を叩くとトントンと音が響くのに、高台付近を叩いた時にはゴンゴンと音が固い。
あ、そういえば壁の裏に柱が通ってるかどうかもよく叩いて音の響きで確認するわ、と。
実際その通りでした。同じ音が鳴るところまで削るようにしてみたら、見事に望んだ通りの厚みに仕上げることができたのでした。
多分、陶芸の本を読んだら最初に書いてあるような初歩的なコツなんでしょうけど、いいんです。実感を伴って見つけたコツというのが嬉しいのです。
そんなこんなで、またまた金曜日は陶芸教室の日。作ったペアマグを持っていって素焼きの方にまわしてもらって、削り待ち状態だったマグカップについては...もうマグはいいやと潰して粘土ストックに戻っていただきました。
で、その日は最近「作って」と言われることの多いご飯茶碗を作ることに。教室の限られた時間内で同じ形をいくつまで一気に量産できるかなーと実験開始。立ち上げでもたつかなくなった分、数が増やせるようになっているはず。
3つ作ったところで教室に置いてある粘土ストックが尽きたので、この日はそれで終了。同じ形...というにはちょっと微妙だったりもしますけど、あとは削りの方でなんとか調整してみよう、うん。
ただ、乾燥させないように作品を保管しておく場所はあまりスペースがないので、この日3つ作っただけでもギリギリになっちゃいました。他の人の迷惑になりかねないので、あまり数を作るのも問題だなあ。次からは2つまでにしよう。
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