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来月のキタミ式イラストIT塾改訂に向けて、今週は校正作業を着々と進めています。もう何度か「ゲラが出たから受け取り」「朱を入れて戻す」「朱が反映されたゲラを受け取り再チェック」「朱を入れて戻す」というフェーズを重ねているので、ぼちぼち全作業が終わろうとしています。
従来この校正作業には「実際の誌面と同じサイズに印刷した校正紙」のやり取りが欠かせませんでした。用紙片面に見開き印刷するので、ひとつの見開きにつきA3用紙が一枚必要で、800ページを越える応用情報編だと400枚以上の紙束が送られてくることになります。キタミ式の場合はそれが3冊あるので、全部で1000枚ぐらいの紙束になる。
すごく邪魔です。
超管理が大変。
しかも朱を入れたら送り返すわけだから、手元に「どこにどう朱を入れたか」わかるようコピーなりを残しとかないといけないんですよね。A3の。それがまためんどくさい。
そのためある時期からはなるべく朱入れをPDF上で済ませるようにして、紙のやり取りを減らすようにしていました。ただ、当時のまだ解像度低めだったWindowsタブレットでは、紙ほどの精度ではチェックができなかったのです。「紙と画面ではミスに気付く確率がどうも異なる」というのは同意してもらえる同業の方も多いと思うんですが、それがために「チェック用の紙」の受け取り自体は止めることができなくて、結果「送り返す手間はなくなったけど、1回校正ゲラが出てくる度に仕事場にたまるこのA3の紙束はどう処分したものか...」とうなだれる羽目になったりして。
このあたりの作業が、iPad ProとApple Pencilで一気に世界が変わった話は前に書いたことがあります。
『iPad Pro と PDF のコンビは校正作業が生まれ変わる (iPadPro雑感-その2)』
『iPad Proに比べてWinタブでPDFの校正作業が残念な理由 (iPadPro雑感-その3)』
もう1年以上前に書いた記事になりますが、今もこの気持ちは変わっていません。いや、当時よりも各ソフトやクラウドサービスの対応が増えたおかげで安定度が増して、ますます便利さを実感しています。
今は校正ゲラのPDFデータが届いたら、まずOneDrive(Microsoft製のクラウドサービス、1ライセンスで5台までインストール可能というお得なOfficeのサブスクリプション契約をするとおまけで1TBくっついてくるので愛用してる)管理下に作った「2018年校正」というフォルダの中に放り込みます。
iPad ProのPDF Expertというソフトに「このフォルダは同期するんだよ」と指定してあるので、そのソフトを立ち上げるとフォルダの中身が勝手に同期され、iPad Pro内に最新状態のファイルがすべてダウンロードされた状態になります。
お好みで電車の中なりバスの中なりコタツの中なり旅先なりで朱を入れます。更新は勝手に保存されて、ネットにつながっていればOneDrive側にも反映され、その先でデスクトップのパソコンにも勝手に同期が取られてすべてが最新状態になってます。
すべてチェックが完了したら、OneDrive内のフォルダから共有パスを取得して、そのURLを編集さんに「終わりましたー」ってメールしたら作業完了。
宅急便をやり取りする手間もタイムラグもないし、荷物にならないからどこでもいつでも作業できるし、作業後のゴミも出ないし、朱を入れた履歴が常に手元に残る上に管理も楽だから第2校以降の再チェックもはかどるし。
何よりソフトがiPadでの使用を想定しているために、キーボードやマウスを使わない前提で作られているのが、この快適さを後押ししています。
自分はメインの作業用にはラフ書き程度にしかiPad Proを使っていませんけど、この校正作業の快適さだけでも、十分に本体価格以上の価値があるよなあと思うのでした。
2017年12月 1日 09:00に投稿されたエントリーのページです。
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