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一筆目でとんでもなくしくじると、もうどうとでもな~れ~って気分になりますね。紙がお高いから破り捨てはしないですけども、なんかもう激しくうなだれます。
...という具合にいきなり泣き濡れちゃってますけど、今月も水彩画教室があったのです。まずは先日描いた神社の絵を佐々木悟郎先生に見てもらって講評いただいて、その後で今回のテーマである食べ物の絵を描き始めました。下絵はあらかじめ宿題で描いてきています。
今回自分がチョイスしたのは鍋焼きうどん。高滝湖畔にあるお蕎麦屋さんのこれが、細麺でありながら手打ちでもっちりしたコシのある麺で、しかもお出汁のきいた汁が麺に染みこんでいて美味しくてですね...あーお腹空いてきた。
とにかくそのうどんを描こうと思ったわけです。よく考えたら初心者なんだから、もっと描きやすいサンドイッチとかにすれば良かったと後で悔やみましたけど時既に遅し。
さー描こう、いや塗ろう、と思ったところ、考えてみたらうどんって白いんですよね。微妙なトーンで立体感を出さなきゃいけないのかな。あと、汁に浸かってるわけですよ。しかも湯気がもわもわしてる。
えっと、これどうやって描くの?
塗り進めるプランが自分の中でどうにも自信が持てなくて、紙を見つめたまま「うーん...」と。
ところでこの教室。30~40人程度が入れる会議室で行われておりまして、教室の間だけ机の配置を替えて4~6人単位の島を作っています。
この日は「ここにしちゃお~っと」と対面に座ろうとした人相手に「あんた本格派すぎてこっちが劣等感の塊になるからそこに来ちゃダメっすよ」「えーいいじゃんー」という会話をしたぐらいに(結局押し切られた)、「水彩画が本職です」という方々が同じ島に同席していました。
その本職さんをチラリと見ると、ためらいなくスイスイ塗り進めているわけですよ。別の本職さんもチラリと見たら、やっぱりスイスイ塗り進めてる。へー勉強になるなあと思ってしばらく眺めていると、なんかすごく簡単そうにスイスイ塗っていくんです。ほんとスイスイ~って感じで。自信がなくてまだ一筆目を描けてない自分がバカみたい。
そこで悟りました。
『そうか、大切なのは自信だな』と。
とりゃ、くらえ俺の一筆目、うりゃびしゃー。
鼻水出そうになるほど大失敗。
大切なのは慎重さですよ。何自信とかって。めっちゃ騙された感。上手い人の手先見て出来る気分になっちゃダメっすよ。
正確には二筆目なんですけどね。背景に水分たっぷりの薄く淡い色を広げた後で、とりあえず簡単な影だけ先に置いちゃえと思って紫塗ったらどんどん滲んで外に浸食していって、止める手段もなく呆然と眺めるしかありませんでした。
もうこれはゴミだ。わかった、ならば実験材料にする。ってことで、普段なら慎重に混ぜる色を「鮮やかにするんだからここはあえて2色しか絵の具を混ぜない」とか「青いんだから青でいいんだよ」みたいにざくざく塗り進めていくと、これが意外と「だからこそ、この色が出た」って感じで普段の自分のなら出せなかった色が出せてたりして面白いです。
とりあえず上の実験だと、海老フライの色はいい塩梅かな。
ざくざく手早く塗っていく色でもそこまで大外しはしてないみたいなので、慎重にやりすぎて「絵の具が乾いちゃった-」「上に塗り重ねちゃえ-」「顔料が変に浮いてきて汚くなってくー」というルートにハマリ込むよりはいいのかもしれません。
あえて乱暴に、普段自分がやらないノリでガンガン仕上げてみて、その中から良かった点だけを掘り出して、2枚目の清書に移ろうかなと思ってます。
2017年12月20日 09:00に投稿されたエントリーのページです。
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