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長々と書き連ねてきた Galaxy Book 12" のレビュー。まだまだ細かいところで書き足りないところが多々ありますが、最後にアプリケーションとの相性まわりをいくつかまとめて、いったん終わりにしたいと思います。
自分が良く使うアプリケーションは Adobe Illustrator CC 2018 と CLIP STUDIO PAINT の2つ。あと校正作業用にPDFに朱入れができるソフトが1つ必要です。Windowsタブレット用としては Drawboard PDF を愛用していたのですが、ここでは Adobe Acrobat Pro DC を取り上げたいと思います。理由については後述します。
△とはしていますが、限りなく○に近い△で、AES方式のWindowsタブレットに見られるような「短いストロークが認識されない」というあたりの現象は皆無。試しに普段絵日記用に使っているテンプレートを使って、常用するカスタマイズブラシでブログの更新を担当させてみましたが、実にすらすら描けます。ただ、太く斜めに角度をつけたブラシで描こうとすると、どうも入り抜きが正常に拾ってもらえないようで、線が意図せず短く途切れてしまうことが多発しました。細いブラシだと普通に描けるので、「使い処を考えれば作業に使える」という評価です。
自分の用途だと、理工書&実用書系の挿絵や原稿作業および手直しだとまず大丈夫なのかな。
このブログで太い描き文字に使っているようなタッチの線は難しいので、本機を使う場合はブログ更新(と漫画)用の絵は他のソフトで描くように切り替えないとダメそうです。
あと、アプリケーションを起動する度に筆圧の拾いが一様でないというか、すごく繊細に反応してくれる時と、まるでダメな時があるのも気になるところ。Illustratorの場合は右クリック操作が欠かせないので、そこに対応していないペンも含めて、「許容範囲ではあるんだけど相性的に○とは言いづらい」という結論になりました。
本当は◎なんです。ペンはさらさら描けるし、タッチ操作との相性も良し。縦画面も快適なので、たとえば本機だけを手持ちにして縦画面で4コマ漫画のラフをガシガシ描いて、清書に入ったら横画面にして1コマを大きく拡大した状態で清書を進める...なんてのもお手のもの。このアプリケーションの場合は右クリックが必須ではないので、ショートカット操作用のキーボードさえあれば、ペン自体のボタンは完全に無視してしまっても自分は気になりません。多少効率が落ちてもいいやと割り切れば、キーボードなしのタッチ操作とペンのコンビネーションだけでもあらかた作業できるので、旅先でブログ更新を行うなんて用途にも最適です(そして今回求めていたのはまさにそれ)。
まじめに、あんまり気持ちいいもんだから、購入初日はずっとこのソフトで絵を描いてました。iPad Pro & Apple Pencilよりも断然いいとすら思いました。
で、なんでそれが○に下がっちゃったのかというとですね、試用途中にWindows10のFall Creators Updateがインストールされちゃったんですよ。そしたら描画処理が妙に重くなったというか、ストロークがカクつくようになってしまいました。「Windows10 GetPixel」で検索すると色々出てくる既知の問題らしく、Microsoftの見解はこんな感じ。
この状態でも描けはするんですけど、初日ほどの気持ちよさはないので◎→○に下げているというわけです。本機の問題ではないので、早く解消されて欲しいものです。
ちなみにCLIP STUDIO PAINTについては、昨年末にiOS版が出て少し騒ぎになりました。個人的にはiPad Pro & Apple Pencil & サブスクリプション契約でこのソフトを使うよりは、Galaxy Book 12"とCLIP STUDIO PAINT Windows版(分割払い)の方をお勧めします。
びっくりしたのがこれ。Acrobat自身の注釈ツールはなんかこうスムーズに書けなくて細かい記述が行い難いので、PDF AnnotatorやDrawboard PDFといった注釈特化系のサードパーティー製アプリケーションを使うのが常でした。
ところが何となくこれも試すかとGalaxy Book 12"で書き込んでみたら、すらすらと書けるんですよ。デスクトップパソコンにCintiq 13HDをつないだ環境よりも断然すらすら書ける。Acrobatの注釈ツールでこれだけ快適に書けるWindows環境にはじめて出会いました。
軽く使ってみて特に気になるような怪しい挙動もありません。まだ継続して仕事に使ってみていないので断定はできませんが、今のところWindows環境なら今後はAcrobatで注釈入れようと思っています。それぐらい良かった。
Windows10のFall Creators Update問題が水を差してくれてる残念な格好ですが、自分が今までに入手したペン対応Windowsタブレット機の中では間違いなく最良と言ってよい出来だと思います。これでワコムのfeel用ドライバが対応してくれればもう一化けすると思うので、是非そこも期待したいところです。
ペンの性能や相性を考えれば手持ちのCintiqCompanion優位なところも残るものの、圧倒的な携帯性の良さと事務作業などとの相性は断然こっち。したがってCintiqCompanionさんは退役として、ソフトのライセンスはすべてGalaxy Book 12"に移しました。おつかれさまでした。
自分の中で「Galaxy Book 12"はお金を投資しても損のないデバイス」という結論が出たので、これを便利に使うための機器をちょこちょこと買い漁っています。代表的なところでは前回ふれたSTAEDTLERのNoris digitalペンとか。
これらについても、また機会があれば少しずつ紹介していければと思ってます。
※追記
上記でふれた Windows10 の Fall Creators Update による GetPixel問題は、WindowsUpdateで配布がはじまった KB4058258 により解消されているという話のようなので現在検証中です。
2018年2月 6日 09:00に投稿されたエントリーのページです。
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コメント (4)
Galaxybook12を先日買って使い始めました。
IllustratorCC2018が、起動時に大量のプラグイン読み込みエラーを出してしまいます。
2018はその後起動するものの、インターフェイスがほぼ機能せず、実質終了するしかない状態。
2017だといくつかのエラーが出るものの、致命的ではない。
2015はエラー後、起動するものの、新規作成で落ちる。
というような状況です。
もしよろしければ無事に動いてる、細かいバージョンを教えていただけませんか?
Windowsは1803です。
投稿者: 120 | 2018年7月 7日 02:06
日時: 2018年7月 7日 02:06
普通に最新版が動いているつもりでいましたが、そういえば最近はクリップスタジオでの作業でしかこれでやってなかったので、後で再度確認してみますね。今しばらくお待ち下さいm(_ _)m
投稿者: きたみ | 2018年7月13日 12:21
日時: 2018年7月13日 12:21
Windows 1709
Illustrator 22.1
の環境で、うちでは問題なく動作していました。参考になれば幸いです。
投稿者: きたみ | 2018年7月18日 06:39
日時: 2018年7月18日 06:39
ありがとうございます。
Windowsのバージョンのせいですかね?
初期化も含めて、もう少しいろいろ試してみます。
投稿者: 匿名 | 2018年7月20日 07:52
日時: 2018年7月20日 07:52