当サイトは移転しました。現在は https://oiio.jp にて更新を続けています。
そんなわけで、Interphone F5をつけて実際に走ってみた感想を書いてみる。
結論から言うと、「いいですねこれ」と。まず音がいい。これは「音の質が深くてうんぬん」とか、「ひとつひとつの音の粒がどーたら」とかいう類の質ではなくて、「ちゃんと聞こえる」という質の方向で音がいい。
真ん中の音が厚いのか、ボリュームをかなりしぼった状態にしても、ちゃんと認識できる音が鳴ってくれるんですよね。
実走は、ハンドルにiPhoneをマウントして、それとInterphone F5をペアリングした状態で行いました。
iPhoneでは音楽を流している状態ですが、画面はナビが道案内中。道の分岐など案内の必要が出てくると、自動的に音楽のボリュームがしぼられて「300m先、右です」なんてアナウンスが流れてきます。
この状態で、南房総をふらふらと好き勝手に走り回り、最終的な目的地を大多喜の「たけゆらの里」という道の駅に定めて、ソフトクリーム食って帰ってきました。
とりあえず行きは、ざっとマニュアルを「見ただけ」レベルで走行開始。
ボタン操作に対して音声ガイダンスが流れるんですが、英語なせいかよく聞き取れない。
ボリュームの上げ下げは特に不安なく行えましたが、早送り巻き戻しとか、再生の一時停止なんかはよくわからず。
1時間半ほど走ったあたりでちょっと休憩。
持参したマニュアルを熟読してみるも、やっぱり早送り巻き戻しがよくわからない。なんだこれ。
うーん、と悩みながら操作しているうちに、「あ、これマニュアルが間違ってるのか」と気づきました。マニュアルだと次の曲、前の曲と、選曲するためには、上下のボタンを「長押ししろ」と書いてあるんですけど、長押しじゃなくて普通に押すだけでした。
ちなみに上下のボタンを長押ししない場合は「(インカムとか電話とかの)モード切替」と記載されていたんですけどこれも間違いで、モードを切り替えるためには、一度真ん中の丸いセンターボタンを押してインカムモードに切り替えた上で、上下ボタンを押して替えてやるのが正しいみたい。
#今はもう手元にマニュアルがないので、一部まちがってたらごめんなさい。
これがわかってからは、選曲も簡単だわボリュームもいじりやすいわ、なによりボタン位置がグローブ越しでもわかりやすいわと、かなり快適。
しかも、そのいじりまわす過程で英語ガイダンスにも慣れて聞き取れるようになったもんで、まあ「今はどのモードなのか」とか「何の操作が実行されたのか」が実によくわかる。インカム製品で、イライラしながらビープ音と格闘する必要がないのは初めてかも。
あ、ただ再生・一時停止切り替え操作だけはちょっといけてないです。
センターボタンを2~3秒長押しする必要があるんですが、これ、5秒まで押しちゃうと電源オフなんですよ。ちなみに1秒だとインカムがはじまっちゃいます。
一応、2~3秒で「ピッ」って音がしたらボタンを離すって前提なんですけど、走行中だとその「ピッ」が聞こえないんですよね。もう1個ボタンを本体下側後方あたりにつけて、そこで電源のオンオフ(長押し)と、モード切替(押したらモード切替状態、操作しなければ元のモードに復帰する)ってな機能を持たせてくれたらカンペキだったのに、もったいないなぁ…と思ったり。
そんな感じにぶらぶら走り、途中高速をはさんだりしてみても悪影響が出ることもなく、安定してナビと音楽とを堪能しながら1日を終えることができました。
一部の長押し操作に難を感じることもありましたが、ボタン位置、全体的な作りの良さ、音質、そして音声ガイダンス。機能面だけでなくて、使い勝手の面がしっかり意識されたインカムだな~というのが一番の印象。
これに加えて今回試せなかったインカム機能については、3人以上での同時通話も実現してる品なわけで…。そのわりに小さい本体サイズ。ほんと良くできてる。
こんなん使って大勢でツーリング行ったら楽しいんでしょうね。
今年のモーターサイクルショーでも気になってチェックしていたインカム製品。中でも「これがベストかなぁ」と気になってたInterphone F5を、販売元さまのご厚意により借用いただくことができました。
「2週間好きに試してみていいよー」と言っていただけたので、先日バイクに設置したiPhoneのマウントとあわせて試してみた次第です。
といっても、最近の(メジャーどころな)インカム製品で「インカムとしての性能」そのものに不満を覚えることはまずないだろうと思っているので、そのへんは軽くスルー。
重視したのは使い勝手まわりで、ヘルメットへのおさまり具合とか、(自分にとってもっとも利用頻度の高い)1人で高速を淡々と流すような時の操作まわりをチェックしてました。
ヘルメットに装着するための付属ブラケットは2種類。ペタリと接着するタイプと、縁を挟み込むネジ留めタイプ。今回は借用品ということもあり、原状復帰が簡単なネジ留めタイプを使用しました。こっちは台座がついているので、ヘルメットを置いた時もインカムの配線が地面との間にはさまれたりすることもなく、断線の防止という面ではいい気がする。
で、SHOEI の Z-6 に付属のネジ回しでぐりぐりと。
こんな感じになりました。
引き続いて、スピーカーとマイクの設置…なんですけど、ここでちょっと問題が。
いや、これがフルフェイス用の一式なんですけどね。
スピーカーが、けっこう分厚い。
直径は小さい方だと思うんですが、厚みは以前自分が改造したBT Multi Interphone用のものと比べて約倍くらい違う。
結果、Z-6に仕込むのは無理でした。うちの帽体はSサイズでかなりタイトフィットなので、そもそも無理があったのかもしんない(後で試してみたら、上記のBT Multi Interphone用のものも入らなかった)。
致し方ないので、引退して壁のオブジェと化していた OGK の FF-5 に急遽復帰いただきまして、そちらへと仕込むことに。
そんなわけでこうなった。
おおおおお、けっこうしっくりくるなこれ!いつもヘルメットの色はマットブラックを好んで買ってるおかげで、Interphone F5 のマットな質感が純正オプションみたいにバッチリはまってるわこれ。
単純な寸法的にはお世辞にも「小さい」とは言えない本体サイズのはずなんですが、流線型でおさまりのよい形をしてるので、単体で見るよりも小さく感じます。
あ、でも接続端子はなんかでかい。
ヘルメット内に仕込んだスピーカーたちとは、写真の端子で本体と接続することになります。この端子がですね、なんか妙にでかいんですよね。
防水のためとかデザイン上のためとかあるんでしょうけども、普段は本体をはずしておいて、でもスピーカーとかはヘルメットに仕込んだままで、接続端子類に関してはどっか内装の隅にでも押し込んでおく…って使い方をしたい自分としては、この端子のでかさはちょっと残念なところ。
そんなことをぶちぶち言いながらセッティングも終わって、さあ実走だ…となるわけですが。
長くなっちゃったので以下続く。
モーターサイクルショーに行くと、決まってチェックしたい小物がいくつかあるわけです。そのうちのひとつがインカム。特にBluetooth方式を利用した手軽なタイプのものです。
今は中華製のやっすいインカムを、スピーカーを改造したりしながら利用しています。しかしこれ、やはりまぁなんというか使いづらい。音質面はスピーカーの改造で「最低限使える」レベルにまで引き上げることはできましたけども、操作性はいかんともし難い。具体的には、グローブ越しでさわると、ボタンを見つけるのが至難の業なんですよ。
慣れでなんとかなるかなーと思ってたんですけど、グローブ変えたら感触もかわるわけで、またはじめから慣れていかなきゃならん。しかも、なんかペアリングの挙動がどうも怪しくて…。
そんなわけで、新製品のチェックには余念がありません。
もともと中華製インカムは、自分なりの要求を満たす品が出るまではこれで…と、その場しのぎに買っただけの品でしたからね。
ちなみに自分の要求としてインカムに求めたいのは、
1) 最低限の音質を満たすこと
2) ステレオ再生可
3) コンパクトで目立たないこと
4) ヘルメットへの脱着が気楽にできること
5) 操作に迷わないこと
6) 3人以上での同時通話可能
7) iPhoneを電話用のHFPと音楽用のA2DPでつなぎながら、さらにナビとA2DP接続して相互に切り替えながら運用できること
というあたりです。
まずチェックしたのはこれ。
この interphoneシリーズはBluetoothインカムの先駆け。その最新機種としてずっと発売を待ちに待ってた期待の品です。初代のデザインがこれまたいいんですよね。
で、最初見た感想は「でか!!」でした。もうちょっと小さくなったと思ってたんですけど、いっこ前の型であるF4よりも厚みが増した分、「でか!!」でした。
ただデザイン自体は流線型を帯びていてヘルメットに沿う形状であるため、許容範囲といえば許容範囲かなぁ。Scalarider G4という高機能なインカムが出た時は、「決定版!」と思って見に行ったら、あまりのサイズに見た途端「これはなし!」となったんですけど、あそこまでのショック度ではありませんでした。
それ以外は機能的にすべて自分の要求を満たす一品。しかもFMラジオまで聞けたりする。
たとえば旧サンヨーのポータブルナビであるゴリラなんかだと、内蔵のFMトランスミッターでガイド音声を飛ばせるので、そういうのを拾う用途に重宝します。
続いてチェックしたのがコチラ。
ジョグダイヤルの変わり種ということで、これの高機能版であるSMH10の方は前からチェックしてました。ただ、ジョグダイヤルが便利な反面デカイ。やたらデカイ。
こんなもんヘルメットから飛び出してるのイヤだわーってことで選外にしてたんですが、今回並んでた新機種のSMH5はめっちゃ小さくなってて魅力的でした。
最近は高機能路線で大きくなるインカムばかりなので、こういう「基本機能はしっかりしながらもコンパクト」な製品はうれしいところです。
ただ、やはりその分「3者通話」とか「A2DP接続を2回線サポート」などという高機能部分はごっそり削られているので、その重要性によりどっちがいいかが決まる感じ。
個人的には…ちょっとデカさが難ですが interphone F5かなぁ。
ジョグダイヤルは、実際に耳の横へ持って行って試してみたら、ちょっと自分の感覚とあわないところがあったので、「絶対このインタフェースがいい!」とまでは至らなかったのと、あと、F5の音声ガイダンスが地味に便利な印象を受けたから。
これ系のデバイスって「ピーピー」操作音が鳴るだけで、今どんな状態でエラーにされてるかわかりづらかったりするんですよね。
(2012.05.21 追記)
Interphone F5の方も、A2DP接続は「1台までである」との指摘を販売元様よりいただきました。申し訳ありません。謹んでここに訂正させていただきます。
配線がわかってしまえば後はつなぎかえるだけなので、えいやとハンダでつなぎ直してしまいました。それぞれ既存のハンダが残っているので、そこから既存の配線を抜いて新しい配線をあてて熱するだけ。実に簡単です。
でも罠があると怖いので、ひとつつなぐ度にiPhone経由で音が出るか確かめながら進めました。
そうして出来上がったのがコチラです。
アップにすると実に雑なハンダで見れたもんじゃないのですが、とりあえずちゃんと聞けたので細かいことは気にしない。
ただこのままだと配線がすぐにプチンと切れちゃいそうなので、マイクの固定も兼ねて配線部分はすべてホットボンドで固めてやります。
その上で、中央の丸い凸部分(マグネット部)をパーツクリーナーで脱脂。そこに丸く切り抜いたマジックテープのチクチクする側をペタリと貼って完成です。
もう当初の音質とは別物で、最初からこのレベルだと「お、けっこうちゃんと鳴るじゃん」と思えたであろう音質に生まれ変わりました。これならまず文句はありません。
ただ、今回用いたATH-EQ300M自体の力は出し切れてないです。どうも配線自体の抵抗がでかいのか、インカムの配線を通すと音がすごく小さくなっちゃうんですよね。その分をインカム本体がゲインアップしてムリヤリ鳴らしてる感があり、すこーしだけ音がきしんでます。
比較するとこんな感じ。
ATH-EQ300M >> 改造後インカム >>>>>> 改造前インカム
うーん、これはこれで満足なんだけど、iPhone用のヘッドセットとか流用して配線から総とっかえすれば、さらにいい品が作れそうだなぁ。
これじゃ今ひとつよくわかんないと思うので図解してみると…、
基本的には、コードから出てるプラス線とマイナス線を、それぞれヘッドホンのドライバ部分にあるプラスとマイナスの接点に配線してやればいいっぽい。
問題はマイクなんだけど、おおもとのコードからヘッドホンL側に線が3本出ています。なので、うち1本をマイク側のプラス線に配線。マイクのマイナス線はヘッドホンLのマイナス接点に、ヘッドホンのマイナス線とあわせてハンダしてやればいい。
たぶん、配線を見る限りはそう。
なんだ簡単じゃないか!ということで、あらかじめ買っておいたコイツをバラすことにする。
オーディオテクニカのATH-EQ300Mというヘッドホンで、「薄型のわりに音がいいので、ヘルメットにヘッドホン仕込む用途に最適」と評判の高い品です。これなら安いので、失敗してもあんまし痛くないし…というのもある。
外側の飾り板からマイナスドライバでこじっていけば綺麗に分解できますが、再利用するわけでもないので、内部壊さない程度にバキバキと男らしくバラしてやる。
あー、写真撮るの忘れちゃったんだけど、中の配線を見ると、上と同様に「L側はプラスが緑でマイナスが銅線」「R側はプラスが赤でマイナスが銅線」と統一されていて、しかもご丁寧に接点それぞれに「こっちがプラスだよ」とわかるマークがうたれてるので一目瞭然。
「ここまで来れば勝ったも同然だ!」
などとますます成功への自信を深めながら以下続く。
先日大阪に帰った時も重宝したのが、現在愛用中のBluetoothインカムです。
中華製のやっすい品物で、今ならオークションなどで1ペア8,000円くらいで買えちゃうみたい。自分が買った時は1ペアで16,000円くらいしたんですが、それでもこの類の製品で見れば、群を抜いて「安い!」と言えるお値段でした。
インカムとしてライダー同士が会話するのに便利なことはもちろんですが、特に話相手がいなくても、Bluetooth接続で「ナビの音声案内を聞く」とか「音楽を聴く」なんて用途に使えて良いのです。
いいですよ音楽。高速道路を延々とひた走るシチュエーションでは、脳みそがボケーっとならずにすんで助かります。
ただこのインカム。安物だけあって音が非常にしょぼい。
多分付属のヘルメットスピーカーがダメなんだと思うんだけども、壊滅的に低音が鳴らないので、実は大半の音楽は「まともに聞けたもんじゃない」レベルだったりします。シャカシャカという雑音にしか聞こえない。
インカムとして使う分にはちゃんと聞こえるんですけどね…。
スピーカーがダメってことは、多分スピーカーをなんか他のにつなぎかえてあげられたらレベルアップできる気がするんだよなー。
スピーカーって、どうせそんな難しい配線になってたりしないでしょ?
じゃー、けっこう中開けて導線つなぎかえればそれで済んじゃったりするんじゃないのー。
…とは思っていたんです。
で、使ってみて便利さを実感すると、それ故に余計この音の悪さが我慢できなくなってきた。iPhoneとペアリングした日には電話から音楽からナビから全部一括してこれに連動させることができるというのに、この音ではその魅力半減じゃないかと思ったらなんだこれは我慢してる場合じゃないんじゃないのかと…
後悔は後でする主義です!
というわけで、連日しつこいですが、またまたSCALA RIDER Q2の話です。
今回SCALA RIDER Q2をお借りするにあたり、ちょっとわがままを言って別のものも同時に借用していたのです。
それが「BTAG-II」という携帯電話通話用アダプタ。Bluetooth機能のない携帯電話でも、ハンズフリー端子に接続することでBluetooth接続が可能になるという一品です。
たぶんこれを買ってまでケータイをBluetooth接続しようとすることはないと思うものの、Bluetooth接続時の音質がどの程度のものか確認してみたかったんですよね。
で、試した感じ。明らかにFMラジオとは比較にならないキレの良い音質で、そりゃそうかと笑っちゃうほど違いがありました。試しにケータイのミュージックプレーヤーを使って音楽を流してみて、その間に着信が来たらどうなるかやってみたんですけど、ちゃんと「ミュージック停止」→「通話」→「通話切」→「ミュージック再開」ってなるのね。ああ、よくできてるなぁ。
それで思ったんですが。
自分の使い方だと、多分インカムの使用はカミさんとのツーリング時が一番多いように思えるんです。
カミさんとはともにNTT docomoで家族割にしているため、いくら話しても通話料はかかりません。
ってことはSCALA RIDER Q2間で会話するよりも、Bluetooth経由でケータイ通話した方が距離の制限無く話し放題で便利なシチュエーション多いんじゃね?…と。
うーん、やっぱBluetooth機能は欲しいなぁ。
BTAG-IIそのものは、思ってたよりも小さい機体で質感もよく、「ああ、これ欲しいなぁ」と思わせるに充分なものでした。なにげにこれつけた状態でも、RAMマウントの防水パックに入っちゃいそうなくらい小さいんだもんね。
こういうのが3,680円くらいで買えるようになると、ひょいと手を出せるようになるんだけども。
ちなみにこのBTAG-II。SCALA RIDER Q2とのペアリングだと、「ポコ…ポコ…」と小さく太鼓でも叩いてるような、そんなノイズが入って「実にクリアな音声だ」とまではいきませんでした。極々小さい音ではあるんですが、これなんなんだろ。借用中の2台どっちで試してもポコポコいうんだよなぁ。
先週末日曜日に、借用中のSCALA RIDER Q2実走テストと題して、千葉房総内のちょっとした観光ツーリングにお出かけしてきました。ちょうど知り合いの編集さんと「ツーリングとか行きましょうね~」という話をしていたのもあって、ならば兼ねちゃえと行ってみた次第です。
ルートは、うぐいすラインを起点として、風情ある小湊鐵道と並走の後、高滝湖で休憩。その後清澄寺にて千年杉を眺め、南下のち西進して「ばんや」という評判の食事処で飯をとり、鋸山のでかい大仏さんたちを眺めて、あとさらに時間があったらどっかに寄り道してみよう。…という感じ。
けっきょく、「ばんや」は鬼のような混み具合だったのでパス。大仏さん見てたら時間がなくなったので、そこで終了となりましたけども、それでも1日充分に楽しめたツーリングとなりました。
で、1日使ってみた、SCALA RIDER Q2の感想に移りたいと思います。
■電波の届き具合
まず、電波の届き具合ですが、使ってみた感じだと「見えてればまず届く」という印象を受けました。以前使ったInterphoneよりは少し届きがいいように思えたので、500mは無理にしても200m強程度であれば、さほど無理なく会話できそうな感触です。
ただ、アップダウンのある箇所とか、何台も間に車がはさまってたりすると、やっぱり電波がさえぎられちゃうので、ノイズが入ったり、断線したりということが起こります。まあ仕方ない。いったん切れても、スムーズに復帰するので、そのへんはあまり気になりませんでした。
ただ借用した機体の個体差なのか、編集さんに貸した方は「音量が小さい」とのことで、最後まで聞き取りづらかったみたいです。一方、自分の方は「声でインカムがONになる」VOX機能が不調。どんだけ大声を出してみても、なかなか通話状態に切り替わってくれません。編集さんサイドからは、時々意図しないままインカムがONになってることがあったので、あちらの状態が正常時だと考えると、どうも自分の使ってた方はマイクがおかしかったんじゃないかと思われます。
ってことは、「音量が小さいよ~」と言ってた編集さんのスピーカーが不調だったんじゃなくて、自分の側のマイクが不調なせいで、音が通りにくかったんじゃないかと。
という前提で以下に続きます。
■ナビとの連携はどうか
高滝湖畔で休憩した後は、D905iのケータイナビを使って次の目的地を目指しました。
SCALA RIDER Q2はFMラジオモードにセット。ただ、インカムで通話した後に切り替えようとしてもなぜかFM受信状態になってくれないので、一度電源をOFF→ONと入れ直して、それからFMラジオモードにしてやる必要がありました。
ちなみに、この後も「FMラジオ状態になってくれない」という現象には何度か遭遇することになります。このあたりの切り替えは、なんかクセがあるなというのが正直なところかも。電源を1回入れ直せば、100%大丈夫なんですけどね。
走行中は当然ナビのアナウンスを聞きながらになるわけですが、ここでもちょっとだけ問題が。
ナビだと常時しゃべってるわけじゃないので、無音状態がほとんどです。そうすると、ノイズがやたら目立つんですよね。部屋の中で試した時はクリアだったんですけど、走行中はなにかの振動を拾うみたいで、「ブブッ、ブブッ、ブブッ、ブブッ」と定期的にノイズが鳴ってるんです。さほどの音量ではないので、「うるさーい」ってほどでもないし、ナビの声もはっきり聞こえるので、実害はないっちゃないんだけど、ちょっと耳障り。うーむ。
ただ、ナビの音声を聞くことができるというのは、実際にやってみるとかなり便利だと思いました。
今の季節だと、晴天時でもケータイの画面はうすら確認できます。それでも注視するわけにはいかないので、時折「あれ?」となるのが普通。でも、今回インカムでFM音声を拾って、「音声が主体」で「画面はサブ」という使い方ができると、その「あれ?」がほとんどない。
ケータイナビそのものについて若干の工夫が必要と思えた部分もありましたけど、「まじめにバイクでも実用になるな」と思えたのは、SCALA RIDER Q2と組み合わせた今回がはじめてでした。
■ナビとインカムの併用はどうか
今回残念だったのがこの点。先に述べたようにVOX機能が不調だったので、FMラジオ受信状態にしてしまうと、こちらからインカムを呼び出すことがほぼ不可だったのです。呼び出してもらう分には大丈夫なんだけど、こっちから呼びかけようと思うと、一度FMラジオを切らなきゃいけない。そのためには左手をハンドルから離してボタンを長押しする必要があるので、よっぽどまったり走ってる時じゃないとちょっとね…と。
VOX機能さえ普通に働いてくれれば問題なさげなんですが、そうじゃない今回のようなケースだと、「ナビ聞いてる間は呼び出してもらわない限り淡々と走ってる」なんてことにならざるを得ませんでした。
FM音声の方がインカム呼び出しより優先度低いから、インカムでおしゃべりしてると「ナビの音が割り込んできてくれない=曲がり角をしくじる」ってことになるのも難なんですよね。Bluetoothでナビをつないでいる場合はそっちの方が優先度高いので、「インカムでおしゃべり」→「ナビのアナウンス入る=インカムは自動で中断」→「ナビアナウンス後、おしゃべり復帰」となって自然に切り替わるみたいなんですが…。
優先度の並びが「Bluetooth→インカム→FMラジオ」なことを考えると、このFMラジオ機能は「渋滞情報とか音楽聞いたりとかに使う」ものなんだろうなーと思います。ってそりゃそうか。
■電池の持ち
朝8時に家を出て、1日遊んで帰ってきたのが夕方6時半。特に電池が持たないということはありませんでした。ずっと話しっぱなしってこともなかったので、これで「○時間持つ!!」とは言えないですけど、ひとつの目安として、自分の場合1日の行動分には足りる程度持つように思えます。
■総評
操作にクセがあったりはするものの、FMラジオでケータイナビの音声が拾える点。3台使って相互通信ができる点。バッテリの持ちと通信距離も必要十分である点。…と、これらのことを考えると、やっぱり今買うんであればコイツかなぁと思うに充分な1日でした。
ご一緒してもらった編集さんは、同じくBluetoothインカムである「B+COM」という品を所有してるんですが、「バッテリが全然持たない」「ボタンが押しづらくて使いにくい」と、今では全然使わなくなっちゃってるんだとか。今回、音量に問題があったせいで「手ばなしにコッチがいい!!」とはならなかったですけども、ボタン操作やバッテリという面では魅力を感じてもらえてたようでした。
あとはあれかなぁ、FM切り替えのクセや、FMとインカムを併用する時のクセを掴めるかどうかなのかなぁ。今回戸惑ったその辺がクリアできれば、かなり贅沢な使い方のできるひと品だなぁと思いました。
…というわけで、今年の冬は「グリップヒーター」とコイツかな。
とりあえずお金貯めたいと思います。
というわけで、販売元の株式会社ブルーネクストジャパンからお借りしたSCALA RIDER Q2です。
基本操作は、こんな感じ。側面が大きく2つのボタン部分に分かれていて、前側が電源操作とケータイ操作、後側がインカム操作用、あとはお尻にボリュームボタンという構成になってます。これらのボタンは、素でさわるとやたら固い押し込み加減なんですが、メットに取付けた状態で押し込むと「やや固めかな?」くらいの固さに変わります。別製品のInterphoneも確かこれくらいの固さだったと思うので、これくらいが誤動作を避けるいい案配なんでしょうねきっと。
ちなみにこのインカム、この手の製品には珍しく1対1だけじゃなくて、1対2でペアリングできるようになってます。同時に3者通話は無理なんですが、インカム操作用ボタンを「1回クリック」するか「2回クリック」するかによって呼び出し先が指定できるようになってる。「話しかけたい先を明示的に指定する」ことによって、3者でのツーリング時にも互いに話しかけあうことができちゃうわけです。
この時のお約束ごとは、「1台につき通話先を2台登録できる」となっているだけでスレーブとかいう区分けもないので、「親機だけが、他の2人と話すことができる」なんてこともありません。
とはいえ2ヶしか借りてないので、本機能については試せてないんですけども。残念。
詳しいスペックは販売元でご確認いただくとして、見通し距離500mまでOKとしている部分と含めて、本製品を魅力的にしている特徴のひとつです。
で、魅力的に…というか、本製品を心待ちにしていた理由がもうひとつ。
こんなことをしたいぜと思ってた私にとっては、「Bluetoothインカム製品にFMチューナーも搭載しました」なんてのは、これ以上ないほどツボをつきまくった品であるわけです。
そんなわけで、さっそくFM機能を試してみたりして。
D905iのミュージックプレーヤーを起動して、音声をFMトランスミッタで飛ばします。
で、ヘルメットをかぶり、FM受信モードに切り替えて部屋の中をうろうろと。うは、まじで音楽聞こえてくるでやんの。すげえやすげえ。
受信感度がやや弱めなのか、部屋の中を歩いているとややノイズが入ったりしますけど、ポケットに端末を放り込んだ状態でならほぼノイズレス。用途としては「ケータイナビの案内音声を聞く」ことに使いたいので、端末はハンドル上にマウントされてます。つまり問題なし。おー。
この状態でもう1台の方からインカムの呼び出しをかけてみると、自動的にFM受信モードからインカムモードに切り替わりました。先方がインカムを切ると、またまた自動的にFM受信モードに復帰。
うはは、すごいすごい、いい感じです。
ただ、FM受信中はインカム通話ボタンがプリセット局変更ボタンに変わっちゃってるので、こちらから呼び出したい場合はボタンによる呼び出し機能は使えません。「あっ!!」とか短く大声出すとVOX機能(音に反応して通話が開始できる機能)が働いて通話することはできるんですけど…。
2台登録してる場合って、どうやって切り替えりゃいいんだろうなぁ。まぁ、その場合はいったんFM機能解除してから呼び出すことになるのかな。
「こんなこと」や「こんなこと」をしてる関係で、前々から欲しいな~と思っていたBluetoothインカム製品があって、それが先日めでたく国内でも販売開始となりました。
そしたらどうも販売元の方で製品モニターを募集しているという噂が。ダメもとで「貸して」とお願いしてみたら、本当に貸していただくことができちゃいました。やったー。
というわけで届いた品。箱の中身はこんな感じ。
最初は「げげっ、英語のマニュアルしかないじゃん」と思ったんですが、貸し出し用なので色々抜けてる品があるらしく、もう1セットの方を見たらちゃんと日本語化された説明書が入ってました。
ちなみにこの箱、フタがマグネットでしまるようになってたりして、なにげに「いい作りしてんな」というデキだったりします。
なにはともあれ、まずは充電。
充電は、付属のACアダプタをお尻に挿して行う形です。充電中は真ん中のランプがピカリと赤色に光ります。
で、いい天気だったのもあって外に移動。
メットへの取付は、ベースプレートがクリップ式に挟める形となってるので、これをアーレンキーで緩めたり締めたりして、メットの縁に取付けることとなります。
取付けるとこんな感じ。
アーム式のマイクは、メットの縁をはわせるようにして口元へ。アームはかなり絶妙な柔らかさなので、固すぎることもなく柔すぎることもなく、希望の位置にちょこんと納めることができちゃいます。
でもあれだなぁ、メットをかぶるとき、このスポンジは邪魔になりそうな予感。
こちらはマイクと同じく、ベースプレートから伸びているスピーカー部。一応ステレオです。
スピーカー裏側が全面ベルクロ状態なので、このままメットの内装にペタリと貼り付けてもよし。それだと顔にこすれて痛いとかいう場合は、付属のベルクロテープを内装裏側あたりに貼り付けて、そこにペタッとこいつを貼り付ける形になります。
とりあえずはメットの内装にそのまま貼ってみたの図。かぶったりぬいだりしても気にならないので、このメットの場合はこれでいいや。
これでベースプレートが一式セットし終わったので、後は本体をベースプレートにかちっとはめたらセット終了。それがこの写真。
防水仕様なので、基本的にはずっとこのままです。充電とか保管の時は、ベースプレートからワンタッチで本体が取り外せるので、本体だけを持ち帰って充電するような形になります。
…でもなぁ、本体は防水なんだけど、ベースプレートの方は接点の端子が剥き出しなんですよね。
だから「本体つけっぱなしでOK」であると同時に、「本体つけとかないと非防水なんだからね!!」ってなことになっちゃう。
常時本体ごとつけてないとダメってのは、1個しかメット持ってない身としては、少々悩ましいとこではあります。
試しにかぶってみたら「やっぱちょっと口元でスポンジが邪魔だなぁ」と思ったんですが、「まぁ仕方ないか」と納得して部屋に戻った後、「よく考えたらフルフェイスなんだから防風スポンジはいらないじゃん」ということに気がついて、えいやとスポンジを取っ払ってみましたよ。
スポンジ取ってみたら思いの外小さくて薄型なマイクであることがわかります。
やっぱりこれなら案の定口元に飛び出してこない。メットをかぶる時や脱ぐ時も邪魔になんない。
いい感じいい感じ。
というあたりでひとまず終了。実走テストとかケータイナビとの連携なんかは「まて次回」なのです。
※[続き物]ではじまるカテゴリは古→新、それ以外は新→古の順に記事が表示されます。