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おもいでばこ

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 クリップ機能というのは、今年の3月に発売された新型おもいでばこでお目見えした新機能で、指定日や月、作成したアルバムなどの単位でスマホに写真アルバムをダウンロードして持ち出すことができるものです。既存ユーザーに優しいおもいでばこチームさんなので、その新機能はほどなくファームウェアのアップデートが実施されて、うちにある1個前の型のおもいでばこでも使えるようになっていました。

 これがまた単にダウンロードするわけじゃなくて、スマホ用にリサイズをかけてデータ量を圧縮したり、あくまでもおもいでばこアプリの管理下にクリップしてくれるのでスマホの写真ライブラリと混在することがなかったりという、「わかってるねー」と言いたくなる嬉しい仕様なんですね。当然便利そうだなーと受け止めていました。

 ただ、自分はとにかくモノグサなんですよ。しかも「おもいでばこは写真放り込んでいくとこ」と、あくまでもストレージ扱いオンリーな使い方をしていたため、細かくアルバムを作って管理するなんてことは、これまで一切していませんでした。つまり今ひとつクリップ機能の出番がない。

 ところが、気付いてしまったのです。いちいちアルバムを新規作成しなくても、スマホで写真を見ていて「これいいな」って思った時に押す星印、あれだけを自動でまとめてくれている「お気に入り」があるじゃないかと。
 だいたい写真見ていていいなって思うのなんて子どものめっちゃ可愛い表情が撮れた時か、バイクのめっちゃかっこいいライティングが決まってる時かぐらいしかないわけだから、そこは自動的に「持ち歩く価値がある写真」がつまっているわけですよ。

 で、今通っている水彩画講座で使うための写真アルバムとあわせて、iPhoneに写真をクリップして「む、確かにこれは便利だ」とか言いながら持ち出して重宝してたんですね。

 そしたらある日気付いたんです。クリップ一覧の下にあるアイコンって...。

 これひょっとして最新の状態にボタンいっぱつで同期できちゃうんじゃない?

 考えてみれば「アルバム単位で持ち出せる」わけだから、同期できるのは当たり前なんですよ。でも、不思議とそれが頭になかったのでちょっとびっくり。
 昨日書いたように写真の管理フローがこれまでとは違ってきているので、おもいでばこに放り込んだ後には「ちゃんと転送されたかなー」と最近とりこんだもの一覧を開くのが定番になってきています。その時に、ちょちょいとお気に入りマークをタッチしておくようにすると...。
 いつでもこれ、スマホに最新のお気に入りセットが入った状態にできちゃうじゃないですか。

 そんなわけで、今さらながらおもいでばこの使いやすさを再認識してしまった話でした。ほんと今さらなんですが。

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 FUJIFILMのX-T20を買ってから、Lightroomをはじめとするカメラ周りの設定を色々見直してます。こうだと思い込んでたけどもっと便利なところがあるんじゃないかなあとか、友人のカメラマンが使ってるのを見た時はLightroomもっとさくさく動いてたよなあとか。昨日のカメラキャリブレーションの件に気付いたのもその一環。

 以前は「連写で取りまくると、後の整理が面倒」と思っていました。似たような物がわんさとある中からベストショットを選ぶには、Lightroom上の写真切替速度があまりに遅くてやってられないと思っていたのです。だから連写はほぼ使わない。そうやって無駄打ちをなくすことで、撮ったらすぐおもいでばこに放り込んで完結という流れも気に入ってたし。

 ところがLightroomのスマートプレビュー機能を調べていて、読み込みと同時にスマートプレビューも全部完了するように設定を切り替えてみたところ...うん、早いっすね。編集中に写真切り替えていくのがこれなら苦になりません。

 そしたら、作業フローが次のようになりました。
 1.写真読み込み&スマートプレビュー作成
 2.読み込んだ写真を1枚ずつ切り替えていって、良さげなのがあればBを押す(クイックコレクションに追加)
 3.クイックコレクションを表示して、気になるものだけ画像調整
 4.クイックコレクション内の画像をJPEG書き出し→USBメモリへ→後でおもいでばこへ
 5.クイックコレクションに名前をつけてコレクションとして保存

 おもいでばこはデータベースサーバだと思っているので、そこにも全写真を放り込んでバックアップ管理させるのが良いと思っていました。でも、このフローに変えてみてからの方がしっくりきています。やっぱり電子アルバムという点を無視するのは良くなかったみたい。このフローだと、「見て見てこの写真」となるものだけがおもいでばこに貯まっていくことになるから、その方が写真を見返そうという原動力になる様子でした。
 考えてみれば、おもいでばこがアルバムであれば、そこに納めるのは現像した写真に限るべきなわけで。昔でいうフィルムにあたるものは、やっぱり引き出しの奥深く(つまりパソコンのHDD)へとしまっておくのが素直な使い方なんでしょうね。

 というわけで連写解禁になった今、おかげでバシャバシャ撮りまくれるのが楽しくて仕方ないです。

 つい自分は嗜好として、「手間は害悪」と捉えてすぐに作業を単純化したがるところがありますが、増やすべき手間なら、それが増えることは厭わずやるべきなんだなあ...とあらためて。

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「実用性」という書き方をすると語弊があるんですが、必ずしも必要な機能というわけじゃないところにそれなりのコストかけられるようになったんだなーという余力がうれしくなったのでした。マット自体は丁寧な作りでいいものですよ。

おもいでばこについては、前の型をお借りした時からの付き合い(『おもいでばこ』は、おもしろいデータベースサーバだった件)で、その時に「(良い製品だけに)なんとか盛り上がって欲しいなあ」と思った印象が色濃いので、最近あちこちのメディアで取り上げられているのを見ては嬉しくてニヤニヤしてます。

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もうすっかり「撮ってきたらここにぶちこめ」が合い言葉になっている我が家のおもいでばこ。普段はぶちこむばかりで、閲覧は主にiPhoneやiPad。テレビで本体画面を見ることはあまりありません。

先日久しぶりにテレビで本体画面を見てみたら「アップデートがあるよん」というお知らせが出てました。
じゃあ更新お願いとアップデートをリモコンで指示してみたところ...。あれ?気のせいかなあ?いや気のせいじゃないよねこれ?うわ、速い!ってな感じで、本体の操作感がめっちゃキビキビに生まれ変わってびっくり。リモコンの反応速度がめちゃ速い。

いや、もともと新機種になって速くなってたんですけど、さらに速くなってる。

あと、怪しかったインターレス動画の再生も(まだちょっとコームノイズは残っているものの)普通にこなすようになり、ぶちこんどいた動画をランダムに見てみた感じ、特に問題の出るものはないような...。このへんは、具体的に60p動画60i動画取り混ぜて確認してみないと確かなことは言えないですが。

メーカーのWebサイトを見る限り、次のような修正が入っているようです。
http://buffalo.jp/download/driver/pd-100/index4.html

相変わらずの安定感だなあおもいでばこ。

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そんなわけで、連日書き続けている『おもいでばこ』。これについて自分が特に要望したいのが「見せる」という機能の充実です。正直今は「見る」ことができるデバイスであって、「見せる」ことはできないと言っていいに等しいと思う(本体を直接持ち歩いちゃうとか手はあるけど)。※

でも写真って、特にアルバムに編集するのって、「見せる」という前提は欠かせないと思うんですね。

この歳になると日頃の親不孝を恥じる部分もあるので、親に何か買って送ろうかなーという気持ちになることも増えてきます。たとえばiPad買って贈ろうかなとか、たとえばデジカメをプレゼントしようかなとか。おもいでばこの前機種を使って「便利だ!」と思った時にも、ちょっとプレゼントを考えました。
その時いつも考えるのは「贈って果たして親が自力で使えるか?」ってこと。

おもいでばこは、おそらく自力で使えます。
でも肝心な部分が欠けていて。
うちの親が本当に見たい写真ってのは、孫の写真なんですよね。このおもいでばこは、自分たちが撮りためた写真の管理について、「確かに便利だ」と受け止めてはもらえるでしょうけども、肝心の一番見たい写真たちは、そこに一切入ってきてくれないのです。結果、プレゼントはやめにしました。だって一番やりたい「孫の写真を手軽に送って見てもらうこと」ができないから。

おもいでばこに対して「ちょっと高い」という声が時たま見受けられる理由も、こうした「"自宅で"撮りためて"見る"」という限定された活用範囲に、ひとつ理由があるんじゃないかなーと思っています。誰かのため、何かのため、という理由付けがちょっと弱いので、自分で自分の背中を押しきれなくなっちゃう。

先日からクラウドクラウド言っていたのもここが理由で、「見せる」という機能の実現に一歩進んで欲しかった。あとバックアップを宅外に置いて「万が一の火事や地震でも、おもいでばこはあなたの思い出を守ります」とかうたって欲しかったなーというのもあったり。

その一方で、従来からのメインターゲットを想定すれば「よくわかんないけどネットに置かれるとか流出が怖い」と配慮が必要になるのもわかります。だからクラウド対応が見送られたと聞いても、あーそうかやっぱりなーと納得はしました。

それでも、「見せる」という部分はやっぱり拡充して欲しい。そこで、たとえばアクセスできるデバイスを限定することで、そのへんの懸念を払拭できないものかと。許可されたアルバムについてだけ、おもいでばこ間であれば互いに送り合うことができるような。
これであれば自分のやりたいことができるようになるので、親にプレゼントする動機付けが生まれます。うちの親は、写真を撮ることも好きな方ではあるし。

でも、まだちょっと弱い。写真を撮る趣味のないじいちゃんばあちゃん宅だった場合、「孫の写真を見るためだけに新しく機械を1個置く」というのはどうにも少しおおげさな感がある。

そこで、「孫接待用としてじいちゃんばあちゃん宅の普及率が意外と高いニンテンドーのWiiやWiiU」を活用するのはどうか。
Wiiウェアとしておもいでばこアプリを有料販売して、こっちは許可されたアルバムの参照オンリーにするの。これなら新しく機械は必要ないし、DPEサービスともWiiは連携してるから、気に入った写真を現像に出して飾るってこともできる。それでいて、パソコンみたいに好き勝手できないから安心。
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いいなー、いいと思うんだけどなーこういうのできるようになると。

...というわけで、犬としての立場を逸脱して、「こうなって欲しい!」という妄想を書き散らかしてみました。

クラウドに対する要望の声は確実に開発チームさんにも届いているようなので、いずれはアップデートで機能実装されるはず(と勝手に期待してる)。
極力世界を閉じているからこその完成度でもあると思うので、それを開くのはなかなか大変だろうと想像はしますが、なんとか「互いに写真を送り合って、キャッキャうふふできる世界」へと、広げていって欲しいものです。

※フォト蔵というサービスを使って写真を共有する術はありますが、親に使えというのは無理がありそうだったので除外してます。

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1日置いたことで最適化も終わり、ようやく新おもいでばこの本領を発揮していただく瞬間がやってまいりました。
などと1人で解説しながらiPhoneをおもいでばこに登録し直し、おもむろに専用アプリからアルバムを開いてみたり。

サムネイルがずらずらーっと出てきますやね。
すいっと指を滑らせますやね。
後続のサムネイルがずらずらーっと出てきますやね。
またまたすいっと...。

速えな!

デモで見てわかっていたとはいえ、この時点でもう実感しちゃいました。速い。
「見る」という行為において、速さってのはやはり正義なんだなあと。さすがにiPhoneに保存されている写真一覧を見るのと同じとはいきませんが、実使用感においてはここまで速くなってくれるとまず遜色ないとすら言えます。

あのですね、3Dのレースゲームやる人だとわかると思うんですけど、とおくのほーうにあるオブジェクトって、昔は描画されてなかったじゃないですか。んで、近くにくるとポコリポコリとビルが湧き出てくるのね。今どきのものだとずっと描画されてるレベルで存在し続けていますけど、それがiPhoneローカルに保存されている写真一覧を見る場合だとすると、新おもいでばこくんのはちょっと古めのレースゲームの感じ。
見比べれば確かに見劣りはあるんですけど、実際はスクロールさせて視線を移す頃には(レスポンスを待つタイミングで)「はい」って感じで表示されてくるので、待たされてる感がないのです。

おもいでばこ本体で見た場合は、この後の個々の写真を見るところまでストレスフリーで素早く表示されるようになっていますが、iPhoneやタブレットで表示させる場合は一瞬粗めの画像が出て、一呼吸置くくらいの感じで表示されます。WiFi越しに見てますから、ここはまあそうなりますね。

自分の場合、写真を見る際にストレスを感じるとしたら、その一番は「目的の写真を見つけ出すのに時間がかかる」ケースなので、サムネイルでざざーっと全体をなめて見る箇所がこれだけ高速化されてると、気楽に「あの時はどうだっけ」「この日はどんなの撮ったかな-」とぽんぽん画面を切り替えることができて楽しいです。

ちなみにこのおもいでばこ。今までビューア機能についてはふれてきてなかったんですけど、スマホやタブレットでリモート視聴、スライドショー、お気に入りの登録やアルバムの作成と、そんな感じに基本的な機能は一通り抑えられています。そしてその上に「おもいでばこの本分は家庭用の簡易データベースだ」という工夫が盛り込まれている印象。

たとえばですね、自分のお気に入りとして「記念日が登録できる」というものがあります。
これはなにかというと、その記念日に該当する写真を抽出してアルバム化してくれるものだったりします。

これでですね、子どもの誕生日を登録するわけですよ。そうするとご丁寧に「何年から?」と聞いてくるので、誕生年を入力します。そうするともうおわかりかと思いますが、子ども誕生の瞬間から今に至るまでの、その成長が一気にスライドショーで見れちゃったりするわけです。
「あー、この年まではキャラクターもの優先でくそまっずいケーキだったよなあ」なんてことも見えちゃいますよ。
なんかねーもうねーニヤけちゃうんですよこれがまた。誕生日はたいてい子どもも満面の笑みになってたりするので、ほんとニヤけちゃうんですよこれ。

ちなみに記念日というと結婚記念日とかも当然頭に浮かぶわけですが、これはえっといろいろと透けて見えちゃうような気がして登録は避けてます...げほんごほん。

こうなるとついこっちもですね、せっかくのデータベースなんだから、もうこれはSQL直叩きさせて欲しいな-、PCアプリから限定でいいから、SQL直で叩いて必要な期間の写真を取り出したりできて欲しいなーとか、ついついそんな贅沢な要望も出てきたり。
あとあれですね、リモコンのテンキー部分にタグを登録できるようにして、写真見てる時にポンポンとテンキーひと押しでタグ付けできると、よりこういった抽出機能が活用できるようになって楽しいかも知れません(もしすでに対応してたらごめんなさい)。

一方で、動画対応についてはちょっと弱さが残る印象。そもそもが写真管理名目なんだから「動画も」というのはわがまま言うなって話なのですが、今のようにスマホで写真も動画も手軽に撮れちゃう時代では、その境目もあいまいになっているので無視するわけにはいきません。
それに何よりですね、スマホでつい撮っちゃった細切れ動画って、日常のなんでもない可笑しさを切り出してるので、後で見返すと楽しかったりするんです。でも、あまりに細切れなので管理が煩雑になりがちなんですね。それがおもいでばこに突っ込んでおくと、アルバムの一要素として普通に同居していてくれるので、「あ、こんなのあったんだ。どれどれ...バカだねえ~(笑)」と発見があってこれもめちゃ楽しい。

ちょっと試した感じでは、iPhoneで撮った動画は(縦位置で撮っちゃうと横向きになって再生されちゃうけど)本体で再生するのも、iPhoneでリモート再生するのもOK。SONYのデジカメで撮った動画は、フルHD 60pだと本体での再生はOK、フルHD 60iだと本体でもインターレス処理がうまくいかないようでカクカクに。そしてこれらの動画は、iPhoneでおもいでばこを覗いても、リモート再生は不可でした。

なんも気にせず突っ込んでおけるというのが自分の思うおもいでばこ一番の利点だと思うので、理想を言えばリアルタイムエンコードで再生・配信して欲しいところ。でもそれは多分無理だろうから、電源オフの最適化時に裏で「おもいでばこ配信用フォーマット」へとエンコードして保持しといてくれるとうれしいです。当然その分容量は嵩むことになるので、オプション設定でユーザが明示的に選択するような措置はいると思いますが。

とはいえ、鋭意改善の努力を惜しまないおもいでばこ開発チームさんなので、少なくとも先の動画フォーマットの件については、いずれ遠くないうちに解消されてくるんだろうなと期待してます。少なくとも本体内再生については。
iPhoneでどこまで対応できるかについては、これはiPhoneの仕様とも関係してくるので不透明ですけどね。

ちなみに個人的には私、この「写真管理デバイスだからと動画を切り捨ててかからない」姿勢はほんとうれしく思っています。写真がおもいでなのはもちろんですけど、子どもたちがちっちゃな頃の、なんとはなしに撮った動画から聞こえてくる笑い声とか泣き声まで、ほんと宝物なんですよ。
「泣くとぶっさいくだな~」とか言いながらミルクあげてた当時の泣き声。なんでもない当時の笑い声。今じゃ本人たちも出せやしないそんな声がほんと宝物。
なんとはなしに撮ってるからこそ、すっごい当時の日常が入っていて、でもその価値に自分自身も気づいてないからどっかに埋もれて消えちゃってた動画たちが、おもいでばこのおかげで発掘し直せた今、ああ現代の「アルバム」ってのはフォーマットもこうやってマルチなんだなあと思いを新たにするのでありました。

......ん?

ああ!今日の日記で「で、それはいいんですけど、ちょっとこんな要望もあるんですよ」的なことまで書こうと思ってたのに、まためっちゃ長くなってる!
そんなわけで、また明日にでも「ここまで犬として褒めちぎりましたけども、僕ぁもっとこんな機能も欲しいんだ」編に続きたいと思います。

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『おもいでばこ』というのは何かというと、以前書いた記事がありますのでそちらを。
『おもいでばこ』は、おもしろいデータベースサーバだった件
『おもいでばこ』のイケてるとりこみ機能

端的に言えば「マルチデバイスに対応したフォトストレージ」という品物で、デジタル一眼はもちろん、スマホからコンパクトデジカメから果てはゲーム機まで、ありとあらゆるデバイスで撮った写真を、とにかくため込んで管理することができる製品です。
詳しくは先に挙げた記事を見ていただくとして、これが意外と世の中に「ない」製品なのですよ。

この製品の特異な点は、「儲かる(売れる)から作る」ではなく、「絶対にこの立ち位置の製品は必要だからなんとか存続させたい」と作っているように見受けられる点。試しに「おもいでばこ」で検索すると様々な個人レビューが出てくると思いますが、多くがこの製品を応援するスタンスで書かれています。自分もそうなんですけど、「応援しないとなくなっちゃう」→「これがなくなるとこの立ち位置の製品がない」→「こんなに便利なのになくなられると困る」という気持ちが、そのような取り上げ方になっているのだと思います。

で、先週金曜日にこの『おもいでばこ』の新製品発表会が都内某所でありました。前機種でつながったご縁で自分も招待してもらえたので、ノコノコと秋葉原までお出かけしてきました。

この『おもいでばこ』は出して終わりの製品じゃなくて、出した後にも動画対応や処理速度の高速化など、ソフトの改良でやれるところはがんばって、それをどんどんユーザーに還元していってくれています。そのおかげで、写真をためる・見るという意味では前の機種でもほぼ網羅できているといって過言ではなく、導入当初から比べると随分便利に成長していきました。

ただ、ハード的な上限は定まっているので、処理速度はどうしても頭打ちになるところが出てきます。動画対応も、サポートできるフォーマットに自ずと制限が残る。
やるとしたらこのへんかなあ、古くなったハードウェアは少し世代を新しくして、少し小さくなって、少し速度が速くなって、動画フォーマットへの対応も少し増えて、でもそれだと目玉がないよなあ...クラウド対応とか来てくれたらうれしいけど、前に開発者さんと話した印象だとセキュリティ面で不安を抱くお客さんへの配慮は外せないから難しいだろうし、でもそれがないとしたら応援したくとも言及が難しいよなあ...。

そんなことを思いながら会場について、登場したのがこちら。
『おもいでばこ』(メーカー製品ページに飛びます)

めっちゃ小さくなってる!体積比ほぼ半分!
...い、いやいや、まあ見た目がよくなったからといって、ねえ。

んでもってこんなデモがペタリ。
め、めっちゃ早くなってる!!なにこれ、めっちゃ速い!!!

これはあかんデモでした。ここまで高速化されちゃったら別物すぎる。最近買い物づいて散財しまくってるおかげで「いい加減控えなきゃ」と思ってる身には酷すぎるデモです。もう「ええいデモはいいデモは!それで値段はいくらだ!」とか興奮して見入っちゃってたら、なんと発表会終了後のおみやげがこの新製品本体とか。しかもバックアップHDDまでオマケにつく太っ腹ぶり。

なんですかこれ、靴を舐めたらいいですか、ブログで褒め称えまくったらいいですか、バッファローって3回吠えた後10回まわってワンと言えばいいですか。
もうこの時点でバッファローさんの犬決定ですよ。褒めますよ。褒めまくりですよ。

そんなわけで金曜日夜に我が家へ新しいおもいでばこさんがいらっしゃいましてですね。
まず古い機種のバックアップポートにHDDをつないで「バックアップ」を実行。

そーすると、カリコリカリコリとおもいでばこに詰まったデータを書き写してくれます。

たださすがにUSB2.0ポート経由でウン百GBのデータを転送するわけなので、普段バックアップを取ってない私のようなユーザーさんだと、それなりに時間がかかります。

バックアップが終わったら、新しいおもいでばこに先ほどのHDDをつないで「復元」を実行。

これでまたカリコリとデータの移動がはじまって、新しいおもいでばこくんが、従来のおもいで満載オレ仕様なおもいでばことして生まれ変わります。

じゃあさっそく使ってみて爆速Newバージョンおもいでばこくんのインプレッションを...と言いたいとこながらそれはおあずけ。もちろんちょこちょこ試してたら、そのままつい我が子の可愛さに見とれはじめて気がつきゃ深夜に小一時間見はまったりとかしてたわけですけども、おもいでばこくんの爆速加減は、内部にためこんだデータを人知れず裏で最適化作業を進めてその後に本領発揮だったりするのです。
なので全データをコピーし終わったばかりの状態だと、本当のところがわからないのでおあずけ。

データ移行用にHDDをバックアップポートにつないでたもので、電源オフにすると自動でバックアップがはじまりました。

これの後で最適化作業も実施されて、いろいろこなれてくれるはず。

しかし本当に小さくなったなあ。

前の機種も特にでかいとは思ってなかったんですが、こうして新機種と比較しちゃうとデザインが無駄にでかく野暮ったく見えてくるんだから人間わがままなもんです。実際持ってみても、中身の詰まってるずっしり感は圧倒的に新型なんですよね。

そんなわけで『おもいでばこ』の新製品。その処理速度と設置スペースの両面から、単なる小改良ではなくて、「フォトストレージとしての完成形」にまで仕上げてきた印象を受けました。だってこの小ささで、従来比でストレージの容量倍増、かつ外付けだった無線LAN機能内蔵かつ無線LANアクセスポイント機能まで詰め込んできてるんですよ。
まだ細かい部分を試せてないので、動画対応がどこまで進んだかなど確認したい事項はありますけども、いずれにせよ発売後もソフトで改善拡張できるところはどんどん進めていってくれるおもいでばこ。あまりその辺は不安視してません。

そういう意味では、次の5年を闘えるプラットフォームとして仕上げてきたのかなあとも思えてきたり。
個人的には、「ためる・見る」部分はおそらくこれで完成形だろうと思うので、「見せる」という部分について、これから拡張がなされていくといいなあ...などと妄想が膨らむ一方です。それらについては実機の使用感含めて明日あたりに書ければなと。

最後に、ひいきの引き倒しになってしまっても困るので、ちょっと気になった点なんかも、正直に(犬の立場をわきまえずに)書いてみる。

ここは前のままで良かったのになあ...と思ったのが取込ボタン。

前機種でははっきりと盛り上がったボタンだったんですけど、フラット化されて存在感が消えてました。おそらくはデザイン上の理由だと想像しますが、一番メインの、本製品の機能を象徴するボタンでもあると思うので、ここは逆にでかくなってても良かったのにと思ったり。従来のボタンにあった「見やすくて押しやすい」使い心地が気に入ってただけにちょびっとだけ残念な点でした。

あと、これは個体差かなーとも思うんですけど、リモコンの十字ボタンが妙に固くなってた。

従来のものが「コクコク」と押せる感じだとすると、新しい方は「ゴギンゴギン」という感じ。ゴリゴリひっかかってる感もあるので、とりあえず力任せにグリグリ押し込んでみて、馴染んでくれないかなーと様子を見てます。
リモコンはまったく同じなので、ここだけ変更するわけないし...と思ってたら微妙に十字ボタンだけ色がちがう。もし個体差じゃないとしたら、材質の変更でもあったのかなあ。

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もちろん逆も真なりで、SDカードから読み込ませた後で、「元は同じ」である画像ファイルを転送してみても、ちゃんと重複データ扱いになって読み込みがダブることはありませんでした。
ここがちゃんとしてくれていると、データ投入側は本当に細かいことを気にせずとにかく放り込んでおくことができるので、「これ転送したっけ?」という疑問にぶつかることがないんですね。気になったら転送して(読み込ませて)みればいい。あとはおもいでばこが勝手に判定して、良いようにはからってくれます。

そして、その「とにかく放り込んでおけばいい」を可能にしてくれているのが、「スキルごとに」最適化されたとりこみ方法が用意されているという点。

たとえばSDカードを挿して読ませる時なんかはですね。普段消灯状態にある「とりこみ」ボタンが、カードを挿すと青く光るんですよ。じゃあ、当然押しますよね。すると緑色に点滅する。
なんかやってんのねーと放置しておくと、しばらくして青点灯に戻る。これでとりこみ終了です。カード抜いてOK状態。

テレビをつけた状態であれば、この過程がしっかり「今なにやってますよー」と画面に表示されるようになってますが、テレビをわざわざつける必要すらない簡便さ。
これなら機械に不慣れなかみさん相手にでも「これだけだから、やっといて」と言えるわけです。これは、自前でパソコンの環境をいくら整えたってできないところだなーと、専用機の強みを感じる部分です。

iPhoneなどのスマホからも、専用のおもいでばこアプリ経由で放り込めます。これもやっぱり簡単で、アプリ経由でカメラロール開いて写真や動画を選択して転送ボタン押すだけ。

どの端末からでも、どのアプリからでも、どの方法を使っても、とにかく放り込んでいけばそれがデータベース化されて一元管理状態になる。しかも写真も動画もぜんぶお任せ。「○○するためにはユーザ側に...」という注釈が一切ない。
これは、いかにおもいでばこが「データを蓄積すること」に特化して、そこのユーザビリティを重視しているかという思想のあらわれに他ならないと思います。

そして、そういう思想が端的にあらわれてると思えるのが、本体背面にあるUSBポート。

書いてある通り、ここにはバックアップ用のHDDを接続します。そうすると、毎回電源を切るタイミングで自動的に差分バックアップをとっておいてくれるというですね...。

ほんと至れり尽くせりや。

最後にちょっと細かい要望をあげておくとすれば、

・遠隔操作で本体の電源オンオフができるようになって欲しい。
・↑もしくは、電源オフ状態でも、写真の取り込み機能が動いて欲しい。

現状は写真の取り込みを行う際に、本体の電源を入れておく必要があるので、スマホやパソコンからデータを転送する時に、一度本体のそばに行く必要が出てきて少し面倒なんですよね。

・せっかく本体前面のインタフェースで取り込み操作が完結できるんだから、電源のオフまで画面見ないでできるようにして欲しい(抜け道はあるけど)。

どういうことかというと、取り込みが完了してSDカードを抜いた後に、本体の電源ボタンを押しても電源ランプが変化しないんです。あれ?と思ってテレビをつけてみると、「電源を切りますか?」とメッセージボックスが表示されて待っちゃってるんですね。で、「はい」を押すためにはリモコン探してきて押す必要がある。これが面倒。
あそこは、メッセージボックス内で10秒ほどカウントダウンして、その間に「いいえ」が押されなかったら電源オフになるとか、画面見なくても完結できる流れがいいなあ...と。
ただ、「ひょっとして」と試してみたら、電源ボタン2度押しで「はい」を押したのと同じ結果になったので、実用上は困ってないです。でも、普通わかんないよねそんな操作。

以上、おもいでばこのとりこみ編でした。あとは表示閲覧編やって終わりか、もう1個くらいオマケでふれるかって感じかと。リモコンとかにもこだわりが込められてるから、ちょっとふれておきたいんですよねー。

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なんというか、ヘタに「メディアプレーヤー」という存在があったおかげで混同されてしまい、その挙げ句本来の魅力が誤解されがちになるという、かなりイバラの道を歩んでる機械だなあという印象だったり。
結果としては、かなり「こんなんあったら欲しい」と思ってたところにドストライクでした。ただ、その魅力がひと言で説明しづらい。
個人的には、一家に一台的な、メディアデータベースサーバというべき、提案型デバイスなのかなと思います。

で、どういう使い方のところにずっぽりはまったのかといいますと...。

ウチでは、基本的に自分が撮影係になっていて、撮った写真や動画はいったんパソコンにすべて吸い上げるようにしています。写真はRAW撮りしているので、現像作業をはさんだりしますし、吸い上げたデータをすべてCopy.comのオンラインストレージと同期するようにしておくことで、自動バックアップも兼ねているからです。
これなら外に預けてるわけだから、もし自宅が火事になってもデータは残りますからね。

ただ、小学校のママさんたちで子どもを連れてお出かけだとか、自分抜きで出かけるような用事では、当然かみさんがパシャパシャ写真を撮ってきます。何気なく撮った日常の写真や動画も、気がつけばスマホの中にたまっていきます。
じゃあそれを自分の方で回収して一元管理するかといえば、これがしないんですよね。めんどいもん。いったん手を出すと、「どこまでは吸い上げたか」を把握しなきゃいけなくなるのもめんどくさい。

そして一方で、自分が管理している写真データというのも、実はかみさんからするとアクセスしづらいものらしく、「この間のあれの写真って印刷して渡したいんだけど」「あー、ネットワークの共有フォルダにあるよ」「...(それがようわからん)......」という会話がこれまでにも何十回と。
その都度教えるのもいい加減めんどいので、こっちもまあ伝えることは伝えたしーみたいな感じで、会話をフェードアウトさせて、以下忘れたふりしちゃったりとか。

そんなわけで、自分としては、「おれが管理してる写真や動画データを全部自動で同期とってくれて」「各々が撮った写真データも、重複とか気にせずどんどん放り込んで大丈夫で」「そうやって一元管理してくれてる中から、簡単に写真をチョイスできて」「そのまま印刷もチョー簡単で」「しかも気に入ったものはスマホに移したり、SNSにアップしたりが手軽にできるといいねー」という環境が作れないものかと、長年の懸案事項だったわけです。

パソコン使えば当然のように、上記のことが「操作がわかればできる」環境は作れます。
でも、それだと家族で使えるのが自分一人になっちゃって、結局意味がないんですよね。

そこで、『おもいでばこ』。これ、上記の「全部自動で同期とってくれて」ってとこ以外、全部できちゃうんですよ。だいたいこの手の製品って「○○がテレビで再生できます」ばっかり売りにしてるんですけど、本製品に関しては、それよりもまずは「一元管理を容易にすること」を主眼に置いてるように見えます。

要するに、データベースサーバなんですよねこれ。
「○○が再生できますよ」の前に、「家族の中に散在しているメディア関係をすべて一元管理してデータベース化する機械」という根っこがしっかりした機械だったんです。

あーそうだよなそれだよそれ、オレが欲しかったのはそれだわーって感じ。

ただ、良い製品だと思うんですけど、知名度も売れ行きも正直きびしそうな...。
でもこの「メディア管理用データベース」なんてコンセプトの製品は、これが立ち消えになったらもう出てこないような気がしちゃうので、なんとか盛り上がって欲しいものだよなあと思ったり。

だってあれっすよ、製品の立ち位置書いただけで細かい機能にはぜんぜん踏み込んでないのにこの長文ですよ。
それだけこれまでには「ない」製品なんですよね。

そんなわけでしばらくは折りにふれて、細々した機能面でも「ここいいよー」ってなことを触れたりしてみたいと思います。
ジャンルとしてこういうサーバ製品が、確立されてって欲しいなあ。

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