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間違いなく説明では「返品時の送料はこちらもち」だったはずなんですけど、送られてきた説明書には「デル負担」ってごっつく太字で書かれてました。実際何も請求されないまま配送業者さんが持ってっちゃった。
返金時に差し引かれてるのかもしれないですけどね。
しかしつくづくすごい売り方だなあ...と。
仕事に使いたくて買う道具だけに、こうやってお試し期間的なものを設けてもらえるのは本当にありがたいです。
どういう操作かというと、描画したオブジェクトを選択しようとしてペンで画面をタップする。これだけ。
言葉よりも動画を見てもらった方が一目瞭然だと思いますので、描き心地の確認ついでに下記のYouTubeを参照して下さい。
タップした瞬間に操作を受け付けなくなるため、複数選択やオブジェクトの移動などがペンでは一切行えなくなります。フリーズからの復帰を待てば選択状態は残りますから、そこでキーボードやマウスを使えば移動は可能。あと複数選択についてはタップ操作が駄目なだけなので、画面上をドラッグしての領域選択を使うようにすれば回避できます。
けれども、正直それでは仕事になりません。
なんとかこの現象を防ぐ方法はないかなと色々設定を変えてみたところ、コントロールパネル内にある「ペンとタッチ」の設定から、フリック操作のオンオフを切り替えることで先の現象が出なくなることがわかりました。ちなみに普段はフリック操作をオフに設定してあるので、先の現象はその状態で出るということになります。これをオンにしてやれば前述の現象は一切発生しません。
しかしフリック操作をオフにしてあるのもそれなりに理由があってですね...。
フリック操作というのは、スマホなんかに使われているものと同じ画面ジェスチャー機能です。特定の指の動作を何らかの機能に割り当てて使うというやつですね。わかりやすいところではブラウザの進む戻るとかでしょうか。それのペン版です。
これがオンになっていると、ペンの動きに対して「それはフリック操作か?」という判定が入ることになります。これによって描き出し位置の動作が判定動作に食われて描画してもらえなかったり、ストローク自体を「フリック操作だ」と認識されて描画対象にしてもらえなかったりする。
というわけで、先のCPU暴走状態は起きないんですけど、下の動画のようなことになってしまいます。
はじめに縦線を描いているところは、すべて同じマス目の横線にあわせて描き出しているんですが、描画開始の位置がまったく揃っていないことがわかります。その後の文字を書いているところも、わかり辛いですが所々書き出し部数秒分が破棄されており、狙い通りの線が引けてません。
でも、そもそもCS6なんていう古いバージョンを使っているのが悪いんだ、最新のIllustrator CC2017であれば、ちゃんと動作確認もなされているはずで、こんな問題出ないに違いない...と思いますよね。
その最新版で使ってみた動画がこちら。これはこれで別種の問題が出るんですよね...。
見ての通り、ちょいちょいストロークが無視されてます。これはCC2014、CC2015.3とすべて同様の動きでした。
ちなみに最初に述べたフリーズ現象については、Illustrator CS5で試してみてもやっぱり同じ現象で、バージョン固有の問題ではなく、どうもシリーズごとの描画系処理と根本的に相性があってない様子です(CS5~6とCCシリーズは描画系の処理が刷新されて別物になってる)。
自分の仕事は8割方がIllustratorを使用するので、これでは作業ができません。
こりゃまずいぞということで、フリックの設定の他にも、波紋を表示のオンオフ、サイドボタンを浮かした状態でのクリック設定オンオフ、長押しを右クリックとみなすかのオンオフ、ペンを変えてみての確認、Illustratorの設定を全削除の上で確認、新しくユーザーをシステムに追加してそれで確認...などなど。
最終的にはあまってるパソコンをひっぱり出してきて、Windows10の新規インストールを行いCreatorsUpdateも適用、そこにキーボードとマウスとDell Canvasだけを繋げた状態でIllustrator CC 2017とCS6をインストール、その上で動作確認を行いました。
でもやっぱり同じ。現象に変化は見られません。
ついでにワコムのサイトでFeel IT Technology用のドライバをダウンロードしてきてDell提供のものと入れ替えてみましたが、それもやっぱり効果はありませんでした。Dell配布の方が末尾のバージョン番号が1個上だったので、もともとそっちが最新なんだろうと思います。
一応テクニカルサポートにも問い合わせてみましたが、「Adobe Illustratorにも対応しているはず」という以上に有用な情報は得られず。これで、自分の中では気持ちにひと区切りつきました。ここまで試して駄目ならもういいかな...と。
この現象がうちにある個体限定で起きてるのでもない限り、Adobe Illustratorというメジャーなソフトのことでもあるし、恐らくは遠くないうちにドライバの改修が入ってCCシリーズについては問題が解消されるのではないかと思います。
ただ、それがいつかはわからない。
その状態で抱え込み続けるには、ちょっとサイズもお値段も仕事への影響も大きすぎるかなあ。
Illustratorのことさえなければ使い心地の良い製品だったので、この結果はかなり残念です。多分あと数日のうちに、返品処理を行うことになると思います。
Dell Canvasに搭載されているペンデバイスは、WacomのFeel系EMRペンデバイスになります。WindowsのタブレットPCによく使われていたタイプで、それらのマシンでは筐体内部のノイズが影響してか、画面全体に格子柄を描いてみると「このへんに何かノイズ源があるな」とわかるレベルで線がうねることが定番でした。また、画面外周部に行くほど大きくカーソルがズレるというのもお約束のひとつです。
Dell Canvasには、その問題がほぼありません。
(正確には画面四隅のキワに関してだけはキャリブレーションしづらくてズレる)
カーソルがふらふらとブレることもなく、画面全域で常に安定した認識具合。さすがに原稿のCintiqシリーズほどキビキビ追従することはないですが、描いていて感じるのは「Feelペン」というよりも「旧世代のCintiq」という印象です。最低筆圧のON荷重の感じとか、入り抜きの感じとか、画面のドット荒さとか、なんか使ってると懐かしくなるんですよね。主観で申し訳ないですけど、昔使っていたCintiq21UXでの描き心地に似ているような気がします。あれの解像度を上げて、画面を広くして、視差を超減らして、筐体を薄型軽量にすればDell Canvas...って、それめっちゃいい液タブやんと。
実際、15万円台とは思えない、良い作りをしていると思います。
視差については、Cintiq13HDと比べたら若干あるけど、このサイズでこれはちょっとすごいよね、というレベル。真横から覗き込むようにするとこれぐらいの視差があります。
自分の場合はもっとペンを立てて描くので、ペンのキャリブレーションを行った後で、自分が描く位置からどう見えるかを撮るとこんな感じになります。
かなりペンを寝かせて描くという人なら気になるかもしれませんが、自分の場合はまったく気にならない視差レベルでした。
昔ThinkPad Tabletをメインの作業環境にしていた時代に買ったWacomのFeelペンがあったので、Dell Canvasで使えるか試してみました。UP-911E-01Aという型番のペンになります。
結果はバッチリ。当時のFeel系ペンデバイスには傾き補正が入ってないはずなんですけど、Canvasペンと比べて明確にズレる様子もありません。Dell Canvas付属のペンにはお尻の消しゴムスイッチがついてないので、それを必要とする人は、こういったオプション品に手を出すのも良いんじゃないでしょうか。
最後にCLIP STUDIO PAINTでさらさらーっと試し書き。左手にiPhoneを持って、Dell Canvasの画面とiPhoneを両方見ながら描いているのでぎこちないのはご容赦下さい。
画面広いし、描きやすいし、ほんといい製品。ちなみにDell Canvasはタッチパネルの反応もすこぶる良いので、描きながら左手で回転させたり拡大縮小パン操作...なんてことも、CLIP STUDIO PAINT上なら気持ち良く行うことができます。正直トーテムいらないかも。
いきなりのクーポン特価に魅せられて思わず注文してしまったDell Canvas。月曜納期だったものが注文翌日の金曜日にいきなり届き、土日返上であれやこれやとセットアップをしていました。
なんせまあ、箱がでかいんですよね。梱包の仕方が大型液晶テレビ買った時みたいになってて笑えます。
てっきり「箱がでかいだけだろ」と思いながら開けたら中身もしっかりつまっててまたびっくり。本当にでかいんですね27インチ液晶タブレットって。ただ中身を取り出してみたら、本体は薄くて持ちやすいし、重量も軽い(8.4kg)もんなので、設置にあたって特に「げ」と冷や汗をかくようなことはありませんでした。
現在の作業環境はこんな感じ。絵描き作業の時はCintiq13HDを手前に持ってきてキーボードを奥に、テキスト作業の時は位置を逆転させてって感じで、随時位置を前後させながら使っています。
Cintiq13HDを撤去して、新しくDell Canvasを設置した図がこちら。
購入前は「こんなでかいの置けるかなー」と不安に思っていたものの、いざ置いてみるとかなり余裕でした。もともとこのデスクはブラウン管ディスプレイ時代に買ったものなので、あれに比べたらだいたいのものは奥行きが小さく感じられるようです。
設置した状態で前後に動かしてみましたが、この重量なら簡単に前後へ動かせますし、スタンドがそれでパタリと倒れてしまうようなこともない様子。そんなわけで、使い方としてはCintiq13HD同様に、絵作業の時は液タブを手前へ、それ以外は奥に移動させることに決定。ただ手前に液タブを寄せた時は奥にキーボードを置いても当然手が届かないので、液タブの左上隅ベゼルに小型のキーボードを貼り付けました。
主のキーボードはCintiq13HDの時と違って絵作業時には脇にどいておいてもらう必要があるため、現状使っている有線のMajestouchだと線が邪魔になってしまいます。そこで、1度は退役を決めたBluetooth接続のMajestouch Convertible2を復活させてみました。Dell CanvasにはBluetoothチップが内蔵されているので、特にアダプタを足すことなしにBluetoothキーボードを使うことができます。
Bluetooth通信の安定性がいまいちで誤入力が多いことから退役を決めたキーボードだったんですが、Dell Canvas内蔵のBluetoothチップと相性がいいのか、この環境だとまるで問題が起きません。いくつかアダプタを変えてもぜんぜん駄目だったのに。すごいなDell Canvas。
本体から出る線は、USB、ディスプレイ入力用の線(HDMIまたはDisplayPort)、電源コードの3本。DisplayPort over USB Type-C接続ができるパソコン本体なら多分USBとディスプレイ入力の線を一つにまとめられるので、電源とあわせた2本で済みます。
3本だらりと垂れ下がってるのが嫌なので、これらはスパイラルチューブでまとめました。あと貼り付けたキーボードの線も垂れ下がらないように、筐体のガワにそって本体脇のUSBポートにつなげられるようフックを貼り付けて固定。
付属のペンスタンドには、ワコム製品同様に芯抜きと替え芯が収められています。付属する芯はB、HB、Hの3種類が各2本ずつ。ペンにはじめからセットされているのはBの芯で、これはワコムのペンで標準設定されているポリアセタール芯と材質的には似た感じです。というか同じだと思ったんですけど、あとでワコムの芯と互換性を確認する際にストローク芯をセットして描いてみたら、明らかに画面をこする音がしゃりしゃりと硬質なものに変わったので、微妙に材質が違うのかもしれません。
Hの芯はワコムのハードフェルト芯、HBの芯はエストラマー芯にそれぞれ似た感じです(あそこまで粘らないような気もするけど確証なし)。Dell Canvasは画面のザラつかせ具合がちょうど良いのか、どの芯を選んでも硬質なガラスの上でつるつる滑るような感触はありません。どの芯もかなり好みの描き味でした。
手持ちのCintiq用に買いだめてある芯との比較がこちら。上がCintiq用のフェルト芯で、下がDell Canvas用のHB芯です。
見た目では長さ太さ形状すべて一致。実際差し替えて使ってみても違和感はまったくありませんでした。
なんか筐体の作りといい、画面のザラつかせ方と芯のマッチングといい、専業のワコムより優れてないかと思うところがちらほらあって好印象。
実際の視差や描き味については、また明日まとめたいと思います。
期間限定割引とか言われるとだいたい抗えません...。
ちなみに20%オフクーポンを適用した場合、保証1年の最安構成で税込み155,502円。自分はそれに保証3年と水濡れや落下損傷でも修理してもらえるアクシデンタルダメージサービスを2年分付加して162,933 円でした。
Dellの場合は、「買ってみたけどなんかちがう」って理由でも、購入後10日間なら返品OKをうたっています。
一応購入前にDellのWebサイト上でサポートの方にチャットで聞いてみたところ、「Dell Canvasも返品可能商品である」「購入時に加入した保証分についても返金される」「返品時の送料については客側負担となる」旨の確認がとれました。だからまあ...最悪それもアリかなと。
それにしても、今使用中のCintiq13HDと比べたら画面の広さは雲泥の差。目の前の主ディスプレイが27インチですから、これがそのまま描画面になるのかと思うとわくわくが止まりません。
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