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VAIO Z

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Illustrator CCのGPU支援は、CC 2014から実験的に搭載されていました。キャンバスのパンやズームがかなりなめらかに動作する、なかなかイカす機能です。ただ、自分が一番よく使うブラシによる手描き作業では、線の描画にやや遅れが出るというか描画のタイミングが少し従来と異なるようで、描き心地にしっくりこないものがあり使えずにいた機能でした。

昨日CC 2015が発表されて、このGPU支援も強化&サポート範囲が拡充されたとありました。ならばと再度デスクトップ機で試してみたところ、今度はブラシ描画もさくさく描けるし、パンやズームは相変わらず気持ちよく動く。IllustratorはCCになってから描画動作に妙なもったり感を覚えていたんですけど、それが払拭されてCS5のような気持ちよさを感じたので、これはかなり嬉しいアップデートっぽい!とちょっとテンションが上がっています。

でね、パフォーマンス軽くなったのならもしかして!とVAIO Zの方もアップデートしてみたのです。
GPU支援のサポート拡充でインテル製GPUも一部サポートってなってるし、もしかしてもしかして...と。

VAIO Zのグラフィック担当は、CPUに内蔵された「Intel Iris Graphics 6100」です。
設定画面に出ているエラーメッセージは「ドライバーを最新にして再起動しろ」なので、多分サポート範囲には入ってるっぽい。ただ、VAIO社の方でカスタマイズしているみたいで、Intelからドライバーをダウンロードしてきてもインストールできずにはじかれてしまいました。

当のVAIO社はというと、4月に無線LANまわりのアップデートがあった以降は、一切なしのつぶて...。

パンやズームのスムーズ化は、タッチパネル操作もサポートしているVAIO Zでこそ生きるところがあるので、なんとかIntel側のアップデートを小まめに本機にも反映させて欲しいものです。

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うちのVAIO Zは省電力設定の選択肢に制限がかかるInstantGoをオフにして、「高パフォーマンス」設定で常用しています。これだとCPUクロックがポンポン上昇してくれるので変に性能が去勢された状態ではなく、本体のポテンシャルをフルに発揮できるので(特に絵描き作業時には)お気に入りなんですが、この状態でもACアダプタの給電をやめてバッテリ運用にすると、平常時のクロックがガクンと落ちてしまいます。

絵描き作業中にCPUクロックが1GHz台にまで絞られてしまうと、たとえクロックが作業と共に跳ね上がるとしても描き始めのラグなど好ましくない挙動が出ることがあります。
これがちょっと気になってたので、現状がどのような設定になっているのか確認する意味も含めて、下記のサイトを参考にレジストリを書き換えてみました。

Windows 8.1で消えた詳細な電源管理項目を表示する!』@ASCII.jp

書き換えたのは下記配下の3つ。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00
→最小のプロセッサの状態 (893dee8e-2bef-41e0-89c6-b55d0929964c)
→最大のプロセッサの状態 (bc5038f7-23e0-4960-96da-33abaf5935ec)
→プロセッサ パフォーマンスの向上モード (be337238-0d82-4146-a960-4f3749d470c7)
Attributesキーの値をそれぞれ1から2へ変更することで、隠されていたこれらの項目が省電力設定の中に復活します。

再起動して現在の設定内容を確認したところ、最小のプロセッサの状態値がバッテリ運用の場合は5%という設定値になっていました。道理でクロックが絞られるわけです。
ここを100%にすることで、ACアダプタ接続時もバッテリ運用時も、ともに3GHz超の性能を使って作業が行えるようになりました。さすがにキビキビさくさく動作で、「おお、これこれ」と少し楽しくなっちゃったりして。前に紹介したDuet Displayもあるし、CLIP STUDIO PAINTとの組合せに限ればほんと使えるやつです。
絵作業の時はこれでフルパフォーマンス状態にして、それ以外の時はバランスに切り替えて使用するつもりです。切替自体はタスクトレイの電池マークをクリックすれば選べるので楽ちんですし。

ちなみに、「ここでパフォーマンスの設定いじれるんだったら、InstantGoをオンにしても大丈夫なんじゃないの?」と思って一瞬InstantGoをオンに戻してみたんですが...ダメでした。InstantGoオフの状態で作った省電力設定は項目として選べなくなり、InstantGoオンの状態だと最小のプロセッサの状態を指定しても設定値が無視されるようで、相変わらずガンガンCPUクロックが絞られます。

スリープ使いたいのになあ。

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Duet Display
1,900円
(2015.05.22時点)
posted with ポチレバ
VAIO Z購入に際して試してみたかったことのひとつに、「iPadを使ってデュアルディスプレイ体制で使う」というものがあります。やっぱり絵作業を行うにあたっては、メインの描画作業用画面の他に、全体表示できる画面がもうひとつ欲しいので、それをiPadで賄えないかなーというものでした。

昨年Cintiq Companionを持ってアメリカへ行った時には、同様のことを考えてAir DisplayというiOSソフトを使ってiPhoneで同様のことをやろうとしたんですけど、こちらは遅延が酷くタッチ操作の反応も鈍くて、しかもiPhoneだとあまりに画面が小さいもので「プレビュー用の画面を配置するだけでもちょっとしんどい」と断念した過去があります。

ところがDuet Displayというソフトであれば、有線接続で使うのでAir Displayほど遅延は酷くないらしい。そういった噂を聞き、ずっと試したいと思っていました。

んでね、今朝方「Windows版がリリースされたよん、しかも本日はそれを記念して40%オフね」という通知がメーカーから届いたのです。
そりゃ歓喜して、さっそくiOS側ソフトを購入、VAIO ZにもWindows用のリリースほやほやソフトをインストールして試してみたのでした。

接続はLightning-USBケーブルでVAIO Zとつなぐだけ。こんな感じ。

接続するとミラーリング設定で表示されるので、マルチディスプレイの設定を拡張表示に切り替え。ClipStudioPaintでは描画キャンバスの他に新規キャンバスをもうひとつ作成して、iPad側に全面表示させています。

本体側のリソースも結構食うよとMac版利用者から聞いていたので、画面の更新速度は30fpsにしたんですが、それでもプレビュー表示用には十分高速で「これはいける!」って感じです。若干マウスカーソルにもたつく感が出ていたので、何かしら食ってはいるみたいですけど、ペンの描画自体にはちょっと描いてみた感じだと影響ありませんでした。多分ホバー側に影響出てるんだけど、NTrigはもともとホバーが遅延しまくってるので差がわからない。

問題はVAIO Z側のバッテリーがガンガン消費されること。有線でつないでるから食われるのは致し方ないんですが...、にしてもけっこうな勢いで減る。給電止めてiPad側のバッテリを消費するようにできればいいんだけども。

手持ちの機器で手軽にマルチディスプレイ環境が作れるって意味ではけっこうおすすめできるソフトでした。2画面あるとやっぱり作業的にははかどるし。
とはいえまだ日記用の絵を一枚描いてみたに過ぎないので、継続してしばらく試していきたいと思います。

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VAIO Z の無線LANドライバが新しくなっていました。

『「Intel(R) Wireless LAN Driver Ver.18.0.0.11」アップデートプログラム』
http://support.vaio.com/software/update/SP000014.html

さっそくインストールしてみたところ、IEEE 802.11ac接続だと20Mbps程度で頭打ちになっていた症状が綺麗に消えて、インターネットへの接続もiPad Air2などと同じパフォーマンスが出るようになっていました。仕事場で試した分には、ちゃんと回線の上限であろう80Mbpsまで叩き出すようになった。

802.11n運用に切り替えてからは、スリープからの復帰でアクセスポイントを見失うような症状もなかったんですけど、こちらも現在の休止状態(スリープ使えなくなってるので)から復帰させてる分には802.11acへと戻した状態でも一切問題なし。うたい文句通りにサクサクつながり、サクサクダウンロードが進むので、使っててすごく気持ちいいです。

ただ、他ユーザーのツイートを拾い読みしてみた感じでは、アクセスポイントを見失って復旧してくれない症状が、相変わらず出ている人は出ている様子。どうも標準のInstantGoアリの状態だとこのへんの症状がシビアに出るみたいです。
...ほんとInstantGoって...。

そういえばThinkPad X41 Tabletを使用していた頃から、色々と参考にさせていただいている拝御礼さんという方がいらっしゃるのですが、この方もVAIO Zを購入されたようで、Illustrator上での使用感をアップしてくれていました。
VAIO ZでIllustratorを使う場合の大きな問題点(私の場合)
VAIO ZでIllustratorを使ってみる(実践編)
Illustratorで漫画絵を描く人はかなりのレアケースっぽいので、昔から似たような使い方を求めては同じ壁にぶつかる同士として参考になるんですよね。今回もやっぱり「あ、やっぱそうなるよね」という感想になっていて、自分の環境が異常ではないという安心感を覚えつつ、異常じゃないのか...という残念感も少々。

拝御さんの記事だとInstantGoオンの状態なので、余計顕著にストロークの取りこぼしが発生しちゃってる印象です。うちだとここまで酷くはない。

とはいえ、記事に触発されて久々にVAIO Z & Illustratorでイラストを描いてみたんですが、やっぱり実用にはちょっときついかなあ...。速く描くとついてこないし、遅く描くとぶれるし、短いストロークは認識しないし。今日の絵を描いてて途中で嫌になっちゃったもの。
このへんも無線LAN同様、ドライバの改善で(もしくはソフト側のアップデートで)、なんとか生まれ変わって欲しいと願うばかりです。

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自分の中でひとまず「どこまで出来て、何が出来ないか」はハッキリしてきたので、本格的に使うための環境整備をちまちまとやってます。
まずは何を置いても欠かせないのが色調整。標準だと色が鮮やかすぎる気がしたので、他の仕事用ディスプレイ群と同じくガンマ2.2 色温度6500Kでキャリブレート。

使用しているキャリブレーションツールはいい加減古くてWin8.1には対応もしてないかなーと思ったんですが、一応無事動作して、こんな感じに揃ってくれました。

センサーは普段、一眼レフカメラのレンズといっしょに防湿ボックスに入れてはあるものの、さすがにもうかなりの年代物なので多分精度的にはかなり劣化してるはず。でも、これだけ色味が揃ってくれりゃいいや。自分の場合は、最終出力の書籍カバーと色の調子が狂ってなきゃOKなので、そこで違和感が生じない限りはまだまだ大丈夫と割り切ってたりします。

で、細々とアプリケーションの環境データを移行させたり、デスクトップとDropBoxを介して同期取れそうなところはフォルダを移したり。

普段使いが楽ちんなように、ACアダプタは毎回お約束でやってるメガネ端子から先の部分をiPadのUSB-ACアダプタから拝借して付け替えてます。

これだと携帯時にはコンセントの端子部分を折りたたんでおけるので、カバンの中でひっかかったりしなくて便利なんですよね。
携帯時はこんな感じでひとまとめになります。

あと、明日からVAIO Zを持って旅行に出るので、宿でコンセントの口を確保するためのこれまたメガネ端子部にかますあれやこれやを揃えたり。

今回は家族で行くのでUSB端子の口を多めに確保してます。でも、普段1人で出かける時なら、VAIO ZはACアダプタにもUSBの口が1個ついてるし、それプラス2口出力の小さなものがあれば十分足りるはず。

それならだいぶコンパクトになるかなー。

20150321.png
昨日もうんうんどうしたものか唸ってたVAIO Zですが、ようやくひとまず使えるレベルになりました。ので、備忘録含めメモしてみたり。

■そもそもの原因
うちの環境ではInstantGoに対応してたことがあらかたの不満の一番大きな点でした。InstantoGoに対応したマシンには以下のような特徴があります。
1)省電力設定では「バランス」しか選べなくなり、CPUの最大最小稼働率が指定できなくなる。
2)画面オフだけさせるような設定はなく、画面オフとスリープがイコールになる。
3)(今のところ)有線LANは非サポート(多分対応してるNICがない)。
4)スリープ中にメールの受信やSkypeの着信、アプリの自動更新などが行える。

これがために、ウチの環境ではほとんどの場合にクロックが0.7GHzや1.4GHzにまで抑制されてしまい、Illustratorではそのクロックがなぜか作業中でも上がってくれないのでまともに作業ができない始末でした。ただ、クリップスタジオペイントなどでも一見普通に作業できると思っていましたが、線の描き始めや途中でペンが迷って一旦停止した時はクロックががくんと下がり、そこからの描き出しになるのでとりこぼしが発生したりと快適ではありませんでした。

一応VAIOの設定ツールでパフォーマンスについては設定できますが、作業をしながらクロック推移を見ていた限りだと、最大クロックの上限を調整しているだけのもので、どちらもできる限りクロックを抑制しようとする傾向は変わりません。

■対応策
上の特徴を見ても、クラムシェルタイプの(ワイヤレスWANへの対応もない)ノートPCにおいてはデメリットしかないと判断したので、下記レジストリの値を書き換えてInstantGoをオフにしました。
[コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power]
→ CsEnabled の値を 1 から 0 に変更

本当であればこの手のカスタマイズはバックアップを取ってからやりたかったので躊躇してたんですが、数日後にこれを持ち出して長期間仕事をする必要に迫られていたので、時間的な余裕もなくいざとなったら後日真っさらに戻せばいいやと決行した次第です。

■その結果
・省電力設定の欄で「高パフォーマンス」が選択できるようになった。
・CPUの最大最小稼働率が指定できないのはそのまま。
・スリープが使えなくなった。休止状態で代用。
・休止状態だと、画面を開いても電源ONにはならず、毎回電源ボタンを押す必要ができた。
・無線LANの出力設定ができるようになった。

「高パフォーマンス」が選択できるようになったことで、特にクリップスタジオペイントにおいては高クロック帯で作業が行えるようになり、デスクトップ環境と遜色ない(タッチ操作が行える点ではそれ以上の)使い心地が得られるようになりました。

休止状態への移行復帰はすごく高速なのでそれ自体にあまりストレスはありません。ただ、このマシンは電源ボタンが小さく固めに作られている(多分スリープ運用が前提なので、誤作動を避けるための措置だと思う)ので、それを毎回操作しないといけないのが面倒です。また、VAIO Zには電源ランプがないので、ボタンを押してもONになったかどうか瞬時に判断できる術がありません。したがって先の固さとあわせて、押せたかどうか判断に迷いがちです。そういう意味でも想定されてない運用なんだろうなという印象を受けます。

無線LANの出力強度を調整できるようになったことで、802.11acの速度改善がなされるかと思いましたが、こちらは変わらずでした。自宅でも仕事場でもNEC社製ルータを使っているので、それとの相性なのだろうなと思います。わざわざルータを買い換えるつもりはないので、少なくとも自分にとってこのマシンの802.11ac対応は今のところ意味がありません。

■各アプリケーションの使い心地
※自分が実際に仕事として使ってみたものに限って記述しています。
※下記はレジストリをいじった結果であるため、この個体独自の現象である可能性があります。

[クリップスタジオペイント] (対応度:○)
タッチ操作において、ピンチインアウトの拡大縮小と回転は遅さを感じますが、パン操作は快適。CPUクロックがほぼ高クロック域に定着して作業できるので、デスクトップ環境並みの快適さで作業できました。
筆圧調整はまだバシッと決まるまでは詰めれていません。いきなり細くなったり太くなったりの差が激しい時があるので、ここは調整中。
NTrig独特の吸着ブレは思いっきり出ます。それについては、「ゆっくり描画する際にはSHIFT切り替えに割り当てた補正大きめのペンで対処するようにすればよい」とアドバイスを受け、それで対応する予定です。

[Adobe Illustrator CC2014] (対応度:△)
描けないことはない速度になりましたが、それでも重く、ペンの追随も鈍いです。総じて快適とは言えません。出先で修正するぐらいなら十分使えるとは思います。
クロックが上がらないのはカスタマイズ前と同様で、それでも高パフォーマンス設定にしたことで常時2.4~2.8GHzあたりは使えるようになりました。その分かなりマシにはなっていて、快適ではないながらもなんとか作業はできそうです。本来の性能ならもうちょっといけるはずなので、もったいない感が強いとともに、本来このあたりのクロックであればもっと軽快なはずという違和感も覚えています。
CC2014で追加された「連結ツール」が時折エラーメッセージを吐いてバグります。
NTrigの吸着ブレはこれでも出ます。スムーズツールで後補正が簡単なので、そこはまあいいんですが、Illustratorの場合はホバーカーソルのあてにならなさが痛いです。ソフトの特性上バウンディングボックスで様々な操作をするんですが、ホバーカーソルがあてにならないため、今どのモードになる位置にペンがあるかもあてにならず、狙い通りの操作がなかなかできません。

[Adobe Acrobat XI] (対応度:×)
ペンで操作を行おうとすると、CPUの負荷が跳ね上がって、アプリケーションが一切の操作をしばらく受け付けなくなります。ペンでの注釈書き込みは一切できません。

[Adobe Bridge] (対応度:×)
上のAcrobat同様、ペンで操作を行おうとすると、CPUの負荷が跳ね上がって、アプリケーションが一切の操作をしばらく受け付けなくなります。スクロールバーを動かそうとしたり、サムネイルを選択したり、ファイルを開こうとダブルクリックしたり、すべてペンによる操作はNGです。

■総括
クリップスタジオペイント専用機としてなら、InstantGoオフの後はすごく快適です。
Adobe社のソフトは、以前スマートスクロールのプラグインを作って遊んでた時に、ウインドウクラス構成がすごく独特で、通常のメッセージ処理だとオブジェクト操作がままならなかった記憶があるので、現行バージョンにおいてもそのあたりで何か相性問題が出ているのかもしれません。
自分にとって主役はVAIO Zではなくそこで動かすソフト達なので、仮にAdobe製ソフト側の問題だったとしても、現状ではVAIO Zに対してあまりよい印象は持てていません。

先のInstantGo対応とあわせて、本マシンに関しては「タブレット然としたライトな操作・オフィス用途」を想定しているのか「いかようにも活用できるハイパワーノートPC」を想定しているのか、その性能・価格帯とあわせてチグハグ感を覚えてしまうというのが正直なところです。
できれば今後、ドライバの改修などでこの印象がガラリと変わるとうれしいですが、少なくとも絵描き用途には最重要ポイントである(と思っている)「CPUの最小稼働率設定」をInstantGo対応のために切り捨てているので、期待したいけど多分想定ターゲット層じゃないんだろうなあとやや悲観的です。
(でも携帯性はこのレベルで描けるマシンとしては素晴らしいのひと言なので、ほんとなんとか改善されて欲しいです。カバンへの収まり具合とか、その剛性感とあわせて超いいっすよ!)

あ、ただ、自分のとこにきた個体だけ、妙に低クロック状態を強制されてるマシンである可能性も残っているので(InstantGo対応のタブレットだとたまにあってBIOS改修が入ったりする)、とりあえず後日店頭のマシンをさわって、動作クロックの遷移を確認したいと思っています。
(ウチのマシンはそういう不良個体の可能性もあるので、話半分で読んどいてくださいね。)

■おまけ
MicrosoftのKB3033889問題はバッチリVAIO Zでも発生するので、タスクバーとかアプリケーションタイトルバーあたりさわってるとたまに10秒くらい固まるんだよねーって人は、ぐぐって対応策調べるのがオススメ。

VAIO Z CanvasについてはLANポートを内蔵しているので、多分InstantGoへの対応は見送ってるはず。なのでここで書いたみたいな懸念はあたらないと思います。

あとなんかあったかなー。
あ、内蔵のメモリカードリーダーは、読み込み上限速度20MBくらいっすよーってくらいかな。ベンチとった。
とりあえずそんなとこです。またなんか思い出したら追記します。

■最後に
自分の環境ではこうだって事例のひとつとして書いてるだけなので、自分としてはこれを読んだ人が、「うちでは正常に動く」「うちでも同様の現象が出ている」と確認する一助として以外の意図はないです(通常の日記と同様に勢いでダーっと書いてたので、言葉が過ぎる部分もあるかとは思いますが)。その結果、自分のとこにもそういう声がとどいて、不良か素性かの判断ができればいいなーと思ってます。
そうして、自分でいじれるだけいじって、それでも「これはもう不良かなー」と行き着いた時には、サポートに持ち込むつもりです。

なので、これをもって「VAIO Zはすべて駄目」とか、ましてや「VAIO Phoneのことといい、VAIO社はすべて駄目」という話に持って行くのは勘弁してください。

VAIO Z 購入者さんは、自分の個体との比較検証に。
VAIO Z 購入検討者さんは、店頭でチェックする項目洗い出しの一助に。
VAIO Z 買う予定のない方はあくまでも話半分で。

本日記をお読みいただけると幸いです。

■追記
Twitterで、「ペン長押しで右クリックの設定を切ってると、一部筆圧対応ソフトで操作時にフリーズすることがある」との情報をいただきました。
さっそく試してみたところ、その設定をONにすると、Adobe Acrobatでのペン注釈、およびAdobe Bridgeの各種操作が、問題なくペンで行えることが確認できました。
でもこの設定ONにしてると絵作業時に問題が出る...。悩ましいです。

20150319.png
昨日VAIO Zが届きまして、昨日今日と環境整備をしてました。

日本語キーボード慣れないな~とか、タッチパッド快適になってきたーとか、ニヤニヤ笑いながらさわってたんですが、環境入れ終わってさあ仕事してみるか...と思ったら、なにこれ使い物にならない。マジでびびってます。

店頭で試したクリップスタジオペイントについては、試した通り動きます。筆圧の微調整繰り返してデスクトップと同じ感じ出せるようになったら、こっちで十分いけるなーって感じ。
でも今日やんなきゃいけないのは、雑誌社からあがってきたゲラPDFに朱を入れることなので、まずAcrobat XIをたちあげておもむろにペンをすらすらーっと。

...描けない。あれ?
筆圧がどうとかじゃなくて、まったく描けない。しかもCPU負荷が跳ね上がって、操作受け付けてくれない。
しばらくすると正常に戻るので、指でさわると赤線がすいっと描かれる。あれ?指でドラッグできないの?と思いながらペンで描くと、また描けない。んで負荷が跳ね上がって固まる。その繰り返し。

ゲラの朱入れできないやん...。

気を取り直してIllustratorを起ち上げてみると、なんか遅い。試しに描いてみると、まず短いストロークの...たとえば目をちょんと入れた場合に、筆圧がぜんぜん反映されてくれない。というか描けない。んでもって、速いストロークで描いてみると、描画が追いついてこなくて取りこぼし出まくり。
なんだこれと思ってタスクマネージャ開きっぱなしで様子を見ると、ほとんどずっとクロックが1.4GHz前後をうろうろしていて、ひどい時には1GHz切ってたりして、「そりゃ遅いわけだわ」なんてことに。

この状態で無理矢理描いたのが上のイラストなんですけど、こんな単純なちっこい絵を描くだけで、1/3くらいは取りこぼしされて描き直してます。まじめに使い物にならない。ATOM並のクロックに抑えられてるんだからそりゃそうです。

他にも、「無線LANのアンテナにこだわったから他社より速いんです!」とうたわれてるWiFi接続は、よく言われる「スリープからの復帰でつながらなくなって再接続の必要がでる」という現象に加えて、速度の方もあんまし...。試しにインターネット回線でスピードテストしてみたところ、802.11ac接続でリンク速度866Mbpsと出ている状態でも実効20Mbps程度しか出ません。iPhone5Sだと60Mbps、iPadや他のPCもそれ以上の数値が出ます。
試しに802.11n接続に切り替えてみたら、リンク速度が300Mbpsに落ちて、代わりに測定値が80Mbpsを越えるようになりました。なので、802.11nだと速いんだと思いますけど、「802.11nまでしか対応してないCintiq Companion 2とは違うんだぜ!」と期待した気持ちは全面的に敗北となりました。

バッテリーも、「15時間もつ大容量!」って売りだったはずなんですが、今んとこ使いながら様子見てる感じだと、もって6時間かなーってところ。VAIO設定ツール内で選べる省電力設定を「パフォーマンス優先」に変えてあるので、売り文句ほどの時間がもたなくなるのはそりゃ当然なんですけど、それで得られるクロックが先に挙げたIllustratorの1.4GHzとかなのでこれがバッテリを消耗する設定だと言われても...。
ちなみにOSの省電力設定内ではCPUパフォーマンスをいじれないように設定項目が隠されているので、そっちで最低クロックを上限に跳ね上げちゃうってことはできません。

そんな感じで、「爆速モンスターPC」とか言われても、クロックがほとんど2GHzより下にいやがるので、普通に使っててあまり速さを実感することもなく。起動もあんまり速いと思わないし、これなんなんだろ。

不思議と、OneNoteとクリップスタジオペイントとPhotoshopは快適に動くんですよね。クロックもポンポン必要に応じて上がります。
でも自分の仕事に必要なのは、クリペはいいんですけどあとはIllustratorとAcrobatなので...。

という感じでげんなりしてます。
まだ機種が出たばかりのこなれてない段階でレジストリいじったりするのもイヤなので、さてどうしたもんかなーと悩む夜。
素直にCintiq Companion 2に行けば良かったかあ。

20150312.png
最近はすっかりTwitterに連投したら「いやー書いたわー」って満足しちゃって、なかなかブログにまとめるまで至らないことが増えています。これもそのひとつ。先日我慢しきれずに新発売のVAIO Zをポチってしまったのであります。最上位のCPUとオプションつけたら30万超えちゃったので身もだえしてなかなか注文ボタンが押せませんでしたけど、最後はその魅力にあらがえずポチッと。

受注生産なので納品は今月18日。待ちきれなくてうずうずしてます。

そもそも最初はWACOMから発表されたCintiq Companion 2(以下、CC2)を買う気マンマンでした。ただ、あちらは最上位のEnhancedってグレードが5月にならないと出てこないので、それまでは指をくわえて静観かなーと。解像度がアップしてるし、単体駆動のお仕事マシンとしても、デスクトップPCにつないで純粋な液晶タブレット(以下、液タブ)としても使えるとあって、そりゃもう大興奮して興奮のあまりにWACOMの株をえいやと買い込んじゃったくらいに買う気マンマンでした。

ところが意外なことに、てっきりタブレットマシンオンリーで来ると思ってたVAIO社からの新製品が2 in 1 パソコンのVAIO Z。
なんか発表内容を見てるとどうも出来の良いマシンな気がする。

こりゃさわってみなくちゃってことで秋葉のヨドバシまでひとっ走りしたのが先月末のことでした。

まず最初にさわったのがCC2。事前のうわさ通り、目にやさしくないがっかりなギラギラ仕様のフィルムに少々げんなりはしながらも、ペンを使ってみればやはりそこは安定のWACOM Cintiq品質で、「あー、これなら今と変わらない仕事環境を、必要に応じてどこでも構築できちゃうな」と思うに十分の製品でした。
ファンクションボタンのタッチも改善を試みてるようで、従来の固いタッチとちがい軽くカチカチと連打できる感触に変化してます。個人的にはここが軽く押せちゃうとベゼルをぐっと握って描く時に誤操作しそうなので、あまり好ましいとは思えなかったですが、品質としては多分今回のこのボタンの方が「上質」と受け止められる作りだろうとは思います。ボタン数も増えてますしね。

ただ意外なことに、それ以外の点では特に手持ち環境であるCintiq 13HDからの進化はあまり感じることができませんでした。

まず重い。そして分厚い。特に厚みは自分の場合影響が大きくて、以前マイナビさんでやらせていただいた短期連載の中でも前世代のCintiq Companionについてこんな感じの比較記事を書いたことがあったんですけど、CC2の厚みだとスタンド必須になっちゃうんですね。そうすると当然分厚さはさらに増し増し。

液タブとしてデスクトップPCとつないで使う時のコードはどうも従来通りの(評判の悪い)コネクタ形状と位置のままで、CC2はそれに加えて電源ケーブルが別位置からもう1本伸びてる。13HDだと1本で(電源コードもここに内包されていて)済むのに...。

さらにペン先と実際のカーソルとの間の空間が、明らかに13HDよりも分厚くなってる。多分タッチパネル操作分の膜が足されて厚くなってるものと思われます。

上記はいずれも前機種のCintiq Companionでも(表面フィルムのギラつき加減をのぞけば)ほぼ同様でしたし、それでいて中のスペックが格段に跳ね上がり、かつデスクトップPCとの接続モードまでついてるんだから進化はしてるんです。
ただ、デスクトップで使うこと限定で考えた時には、13HD比だったら「重くて分厚くて取り回しがしずらくなるだけ」のような気も...。

うーん、ペンで描いてて「安定のWACOM品質だ」と思えた中には、「いつも通りの液タブだ」という印象も含んでいました。普段使っている13HD比で描き心地に対して上記のもの以外で「おお」と思えた点がない。解像度アップしてるはずなんだけども、試用機の設定もあってか、その効力がぜんぜん伝わってこない。
いつも通りの環境を持ち歩けるけど、いつも通りというのは現状から特にあまり進歩がない印象なわけで、それでいて最も多いデスクトップ利用時にちょっと無視できない取り回しの悪化があるように思える。

でもまあ買っちゃうんだろうな、13HDと比べるから少しアラが目に付くけど、なんせ無二の存在な製品だし。このレベルで描ける環境がどこでも持ち出せるのはでかいようん。
そんなことを思いながら1階のノートPC売り場に移動。VAIO Zとご対面となりました。

んでさわったらですよ。
なにこれ!めっちゃいい品!

軽い、薄い。英語キーボードないのがなあって残念がってたキーボード部もタイプしてみたら剛性感ばっちりながら底突きのない絶妙なバランスでめっちゃうちやすい。タッチパッドは感動物の品質。基本タッチパッドって、Windows系は全部クソなんですよ。MacBookさわったら「え!?タッチパッドってこんな使いやすいデバイスだったの!?」って感動できるくらいにWindows系はクソ。そう思ってた自分の認識をくつがえすくらいに、はじめて操作感でMacBookと勝負できるWindows系のタッチパッドに出会いました。

そして肝心のペンの描き心地はというと...。
第一印象は「やっぱりCintiqには遠く及ばないなあ」で、最終的な印象は「どっちが上とかじゃなくて、別の画材だわこれ」でした。

試用したのはアンチグレアフィルムが貼られたタイプのもの。ペン先には2種類添付されてるペン先のうち、ソフトな側のものが付いているという説明です。まず画質は先のCC2のようにギラつくこともなく好印象。感触はというと、PPフィルム加工された本の表紙にプラスチックのペン先で描くような、ちょっとねっとりした感触。自分には好印象でした。フェルトペンの軋む感触が好きではないので、そういう感触抜きでペン先が適度に滑りすぎない仕上げは自分にとってありがたいのです。

で、売り文句通り、ペン先と描画位置にずれがない。ずれがないというのは、カーソル位置の追随性がいいとかじゃなくて、画面とペン先の間に一枚はさまってる感じがほぼないに等しいので、横の説明員の人に時折目をやりながら描き続けても違和感なく線が描けてるという「実際の紙とペン」的な意味合いでずれがない印象でした。

最初はWACOM製品の時についたクセで、ペンよりもカーソルを見ながら描いてたんです。「ホバーカーソルがあてになんないなあ」とかネガな感想を持ちながら。途中からそのクセを捨てたらまあ快適なこと。説明を聞きながらけっこう長い時間ペンを動かしてたと思うんですけど、没入感がすごくてアラが目に付くどころかどんどん「欲しい」熱が高まっちゃいました。

そうして最後に思ったのが、上に書いた「別の画材だ」ってこと。
筆圧感度ははっきり荒かったです。多分調整したとしてもたかが知れてると思う。繊細な表現力でいったら、Cintiqには遠く及ばないだろうなあ...とも。

極端に言ってみれば、PC上で水彩画や油絵、Gペンでの表現力を突き詰めることを目指しているのがCintiqとしたら、VAIO Zはミリペンかなーという感じ。だけど自分が好きな画材は(普段あげてある単純な絵を見てもわかるとおり)ミリペンなんですよね。

テキストも書き、ミリペン描画的な画風を好み、んでもってそれらを組み合わせたスタイルの本を書き、事務作業もやる。うわなんだよこれ思いっきりオレのためにあるようなマシンじゃん!

もうベタ惚れですよ。マジ惚れ。勢いでこんだけ無駄に長い文章書いてアップしちゃうくらいに惚れまくり。

ここまで読んでる人はあんましいないと思いますが、読んだらわかる通りに期待値が製品到着前にして上がりまくり状態なので、18日にいざ届いてみたら「あれ?なんかあの時の人(PC)と違う!?」なんて結末になる可能性も無きにしも非ず。
もし18日以降にブログで手のひら返ししてたとしたら、「ああ、記憶の美化が実物を追い越してしまってたのね」と生暖かく笑ってやってください。

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