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感想 『八日目の蝉』

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「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。」というキャッチがすべてをあらわしてるといっていい、永作博美さん井上真央さん主演の映画。父親の浮気相手が、本妻との間にできた生後4ヶ月の赤ちゃんを誘拐して、我が子として育てる逃亡劇を描いたものです。

映画館で予告を見て以来、ずっと気になっていた映画でした。ただ、特異な設定と、取り返しのつかないやるせなさとで泣かせる映画かなーと思っていたのです。だから見終わったあとは、ずどーんと重い気持ちになるものかと。

ぜんぜんちがった。

美しいものがいっぱい詰まっていて、右手には子供と手をつないでいた感触がよみがえってきて、泣いているのをあやしたり、仕事を脇に置いておもてで一緒に遊んだり、たわいもない会話でケタケタと笑って過ごしたり、そうした我が子との思い出が宝物であると強く自覚できて、同時に映像からは、悲しいような、うれしいような、あたたかいような、さみしいような、あらゆる感情が揺さぶられて終盤ひたすら泣き続けてました。

悲しい映画かといえば決してそんなことはなく、といって感動するのかといえばそれでもなく。なんでしょうね。ひとことであらわすに足る感情の正体がつかめないです。なんといっても主役は誘拐犯の女。何を言い繕っても正当化できる道筋はありません。そして、逃亡劇には明るい未来も見えません。

でも。
でも、涙してしまうのです。

子が親から愛情を受ける。親は子に愛情を注ぐ。そんな、ともすれば当たり前と流してしまいがちな普通のことが当たり前になり得ないからこそ、そこにある愛情だけが、愛情を注ぐことができるという幸せのみが浮き上がってきて、感情を揺さぶるのかもしれません。

映画館で観れば良かったなーと強く思ったんですけど、見終わった後もシーンの断片を思い出しては涙が止まらなかったので、これは外で観なくて良かったと思い直したほどのドハマリよう。思わずAmazonでブルーレイ版を注文してしまいました。

レンタルしたのはDVDだったので、より綺麗な映像でリピートして、しばらく泣き続けたいと思います。

コメント (2)

どぎー:

『八日目の蝉』はテレビドラマ版もよかったですよ。

原作含めて、それぞれ良いとこがあるみたいですねー。
機会があれば手を出してみたいと思います(^-^)/

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2015年6月 8日 10:00に投稿されたエントリーのページです。

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