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DELLのXPS 13 2-in-1を1カ月使ってみて

20170614.png先週金曜日に、Dell主催の製品座談会に行って来ました。
先月から、Dellのアンバサダープログラムに登録している一般ユーザーに数種類の製品が貸し出されていて、それを返却するタイミングで一堂に会して感想を述べ合うというイベントなのです。実際に製品の開発部門にタッチできる人とも話ができるみたいなので、こちらも色々聞きたいことがあるし楽しみにしてたんですよねー。

そんなわけで行ってきました、場所は六本木のグランドハイアット東京っていう高級ホテル。あまりに縁がない場所過ぎて道に迷いまくった。入ってみたら静かで落ちついた空間かつだだっ広い会場に、多数揃えられた食事の数々。んでもって酒。
なんだろう、なんかほんとDellが自分の知ってるメーカーじゃなくなってる。

XPS 13 2-in-1というマシンは、ノートPCとしては「良くできてるなあ」と好感の持てる製品でした。
小さくて薄い。軽い。でも、そうした筐体の印象に反して、ディスプレイを開いて見ると画面がめっちゃ広いんです。この筐体サイズで13インチというのは確かに広いんだけど、ベゼル幅が極端に抑えられた作りのおかげで実サイズ以上に大きく感じられる。
キーボードまわりはパームレスト部分に至るまでカーボン素材で一体成形されていて、これがしっとりと手に馴染む。思わず昔のThinkPadにあったピーチスキンを思い出しました。キー配列は日本語キーボードだったせいで若干右が詰まった異形配列でしたけど、自分で買う場合には英語配列を選ぶから関係なし。タッチパッドは...Windowsマシンとしては上々の出来だけど、MacBookと比べちゃうとちょっとねーという感じ。少し反応が鈍いです。

この日は他にも用事があったので相当荷物が多めだったんですけど、それでもカバンの隙間にスルリと入っちゃうコンパクトさなんですよね。開発の方と話をしたら、そのコンパクトな筐体にアンテナ部や各スロットなんかをいかに溶け込ませるか苦心した話が聞けて、そのあたりもこだわりのある良い製品だなという印象を受けました。

一方で自分としては何よりも最優先なのがペン。これが「13インチのシングル画面で狭いことにさえ目をつぶれば、まあ仕事の直し作業とか無理なくやれちゃう」程度に使えてくれれば...という視点で1カ月使ってみたんですが、やっぱりちょっと難しさが残りました。

当初「少しカーソルの追随が遅い」と感じたところはワコムドライバを導入したことで解消。位置精度についても、何回か調整を行った後は、静電結合方式(AES)の長所として液晶全域で問題を感じることはありません。視差もけっこういい感じなんですよね。

こうやって覗き込むとガラスの厚みを感じますけど...

実際に描く時の視点で見ればこんな風にぴったり。

別の角度からもう一枚。

前回格子模様を描いたテストと照らし合わせれば、この視差であれだけ歪みなく描けるっていうのはけっこう良い出来だと思うわけですよ。

ただ...これで絵作業をしようとすると、まずマシンスペックの問題にぶち当たりました。
クロック的には3.6GHzまでブーストがかかると借用時のスペック表には書いてあるんですけど、実際にクリップスタジオペイントやAdobe Illustratorで作業をしているとぜんぜんクロックが伸びてくれません。特にクリップスタジオペイントでこの傾向が顕著に出ていて、だいたい常時0.9GHzあたりで動作してる。当然動作も緩慢で、描けないわけじゃないけど気持ち良くない。ACアダプタ外してバッテリ駆動なんかにしようものなら、さらにクロックが抑制されてしまって正直使えたもんじゃありません。

これは以前使ったVAIO Zの時と同じ。この製品も、InstantGoに対応してるおかげでクロックが必要以上に抑えられてしまう仕様になってるんですね。ほんとなんなんだろInstantGoって。まったくメリットを感じないんだけど...。

これについては、こちらのサイト(「【Windows設定】DELLの"最強"2in1 PC『XPS13 2-in-1』のおすすめ設定について #2」)でプロセッサのパフォーマンスを設定できるようにするやり方を参考にさせていただきました。

これでクリップスタジオペイントでもクロックがガンガン上がるようになり、作業はめっちゃ快適になりました。うん!クリップスタジオペイントを使うならかなりいいです。気持ち良く描ける。

一方Adobeのillustratorは...ちょっとつらい。標準ドライバだと「動作がもたっとするなあ」という印象はありながらもそれなりに使えていたCS6が、ワコムドライバだとポイント操作のオンオフがうまく拾えないみたいで押しっぱなしになったりまともに動作しない。あと短いストロークについてはただの点としか認識されないことがほとんど。うーん、ストロークの問題はあるにしても、安定して動作しないところさえ何とかなればもうちょっと使えると思うんだけど。

座談会に出席していた他のユーザーさんも「Adobe製品との相性の悪さを感じる」と言っていたので、何か鬼門がそこにあるんでしょうね。

メーカーの方には、そのへんのドライバサポートやレジストリパッチなどをメーカーサイドからもうちょっとフォローしていけないものかというお願いや、そもそも16:9って画面比率やめようよ2in1でこの比率は使いづらいよとか、色んな話をさせていただきました。
画面比率については、お偉いさんから直接「動画見るのに最適なんだよ」という回答があったり、開発サイドの方に聞いてみた感じからも「ペンを取り入れた2in1マシンにはしてみたものの、それをどの層にどのように使ってもらうかについてはまだ模索中」なのかなという印象を受けました。
実際、絵描き作業じゃなくて、写真現像とか映像編集に使う分には今の「ON/OFFがはっきりしたタッチ」の方がわかりやすいという感じの声もありましたし。

どうなって行くのかなあ。Dell Canvasも控えていることだし、絵描き視点の声をどんどん取り込んで欲しいなと思うけれども...。
Dellのアンバサダーイベントは、行く度に興味深い話が聞けて楽しいので、また機会があれば是非参加したいと思います。

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2017年6月14日 19:15に投稿されたエントリーのページです。

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