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トリバタケハルノブさんの『トーキョー自立日記』を読んだ

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この前作である『トーキョー無職日記』は、数年前に思わず書店でカバー買いしちゃったもので、それ以来大好きなマンガエッセイであり、完結するのを待ちわびていた作品でもあります。

どれぐらい大好きだったかというと、Twitterでご本人を見かけた時にすかさずフォローして、「いつかサインもらいに行きます!」とか宣言しちゃったくらいに大好き。

で、その後編。
あいかわらず鬱々と省みては少しずつ前に進む図が秀逸で、んでもって「イラストレーターさんやデザイナーさんというおしゃれな人たちに対して抱くコンプレックス」に代表される「お前はオレか!」と言いたくなる共感ポイントも目白押し。
自分も、くさっている時間が長くて、「無駄にした」と思ってる年数も長くて、それを取り戻していくのにかけた時間と、どうしても取り戻せない時間とで時折身を焦がしそうになることがあるので、なんというか親近感がすごいんですよね…。
もっとも、そんなトリバタケさんも、自分から見ればじゅうぶんに「おしゃれな東京の人」枠に入っちゃうわけでありますが。

もちろん鬱々としたところだけじゃなく、さすがに完結編なので、気持ちの良い読後感と、なにか少しもの悲しい、じんわりとしたものが残ります。
これはあれだ、自分は椎名誠さんの『哀愁の町に霧が降るのだ』という作品がとにかく好きで、あれがエッセイと名のつくものでもっとも好きな作品なんですけど、あれと同じ読後感と言って良いです。

ナニモノでもないから焦ってジタバタあがくんですけど、ナニモノでもないからその時期は自由で、後から振り返るとすごく輝いて見えたりして。
そしてナニモノかであろうとすると、同時にその自由な時間は失われていくというあのさみしさ。
そういうものがじんわり胸にくるマンガエッセイでした。

コメント (3)

きた:

初コメントさせていただきます。エッセイやマンガが好きで拝読させていただいています。自分はSEでもなんでもない職業なのですが、きたみさんの物言いってなんだか自分に似ているなあと勝手に親近感を感じておりました。そしたら、この記事に、僕のだいすきな「むつみ荘」の感想が!さらにバイブル的存在の「哀愁の街に」まで!こりゃもう、ずっと愛読させていただきます。個人的には「SOHOの家づくり」の書籍化をほん!希望しています。

はじめましてー。
「むつみ荘」「哀愁の街~」いいですよね!「むつみ荘」はトリハルさんのツイートとかを見てると、そんなには売れてくれなかったみたいで、「良い本なのになー」ともったいない気持ちがすごいです。

「SOHOの家づくり」は、需要がないと思ってすっかり頭からはずしてました(笑)
需要があるとなれば、いつかKindle本あたりでお目にかかれればと思います(^-^)/

きた:

返信ありがとうございました!
そうですかあ、「SOHO」はぜひもう一度見たいですねえ。
昨年新築して引越ししたのですが、もう失敗と後悔だらけで・・・夫婦共々重度の新築ブルーが続いています。「家は三度建てないとわからない」って本当なんですねえ。親ばか日記も楽しみにしています。ウチは娘が一歳で、そろそろタッチしそうで・・・四十過ぎてからの子どもなので僕も親ばかです。子育ても大変ですが楽しいですね!

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2013年7月10日 18:47に投稿されたエントリーのページです。

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