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2日目は昨日とうってかわって気持ち良い朝。
きゃーきゃー怖い怖い言ってましたが、ぐっすり眠って明けてしまえばなんてこともなく、きらきら輝く湖面が綺麗で「あーやっぱ湖畔のキャンプはいいなあ」なんて現金なことを思うワタシ。
とりあえず昨日濡れまくったあれこれを干すことから1日がはじまります。
今日の予定は福島に来たおっきな目的のうちのひとつ。観光道路を走りまくるぞの巻であります。震災以降の集客力アップ措置として、「磐梯山ゴールドライン」「磐梯吾妻レークライン」「磐梯吾妻スカイライン」といった有料観光道路がここ数年ずっと無料なんですよね。
この道路の写真をなんかの雑誌で見て以来、ずっとずーっと、ここをいつかは走ってみたいと、そう思っておったわけです。
地図で見るとこんな感じ。3つの道路を乗り継いでいくと福島の街に出ます。Aがキャンプ場で、B~C~Dがそれぞれ観光道路。Eが福島の街です。
大きな地図で見る
特に街のほうには用事もないので、福島にまで出たらまたUターンして今度は逆方面から走って帰ってくる予定。さーって何往復くらいできるのかなー…と、そんな呑気なことを考えていたんですこの時は。
まずはじめに通るのが「磐梯山ゴールドライン」。
こんな道を気持ち良く走りながら、景色のいいところにさしかかるとバイクを停めて写真を撮ったり、景色をぼーっと眺めたり。
ゴールドラインを抜けたあたりで早めの昼食にしようと、ふと見かけた美味しそうなうどん屋さんに停めて見ると営業終了の看板が。ついてません。昨日は雨とチェックインの時間に間に合わせるのとでバタバタしてたもんで、朝飯の用意ができなくて、この日は朝からなーんも食べてなかったのです。
腹減ったー。
仕方なく先に進み、今度は「磐梯吾妻レークライン」に。
無料開放中の札がかかった料金所を抜けてすぐのところに湖がひろがっており、ああこの景色はなんかいいなーと小休止。ぼーっと湖を眺めているとウグイスをはじめとする色んな小鳥の声が鳴り響いていて、すごく気持ちが落ち着きます。
いやほんとなんかここは和むなあ。
そんなことを考えながらぼーっと、多分20分くらい過ごしたでしょうか。
さあ行くかーと振り返ってみたら、バイクのライトが点きっぱなし。キルスイッチでエンジンをオフにしたまま、キーをオフにするのを忘れてました。
いやいかんいかん気をつけないと…とか思いながらスタートスイッチを押したら「キュ…カチ…カカカカカカカ」と。
セル、まわんなくなってるんですけど。
まさかのバッテリー上がり。うそんまじ。うわやっちまった!
とりあえず保険にくっついてるロードサービスを呼べばエンジンをかけるとこまでは大丈夫として、「じゃあその手配が終わって救援に来てもらえるまで何時間空腹のまま過ごすんだろう」とか、「このバッテリー今までにも何回か上げちゃってるよな…もし劣化が進んで終わってしまってたとしたら、これ再始動した後も次にエンジン止めたらまたエンジンかかんなくなっちゃうんじゃね?」とか、「じゃあノンストップでバイク屋に行って」「いやいやバイク屋ってどこにあるよ」「つかバイクのバッテリーとか在庫してないだろ」「そもそもバイク屋見つかるまでオレ飯抜きだったりするの?」とか…。
ぐるぐる脳裏をよぎる色んな不安を鎮めながらとりあえずロードサービスを手配。先ほどまでとはうってかわった心境で、また湖を眺める時間に戻ります。
うーどうしよう。
一応手配の際に確認してみたら、バッテリー上がりの出動は90日間に1回だけという縛りがあるらしい。なのでブースターで無理矢理エンジンをかけれたところで、もしバッテリーが終わってたとしたら次にエンジンを止めたところで詰みです。そもそもエンジンを止めずに行けるとこまでがんばって…といっても、ガソリンがもう残り少ない。それはまあガススタまでがんばればいい話なんだけども…。
「ここでツーリング終了かなー」と絶望的な気分になりつつ過ごすこと…何分だろう…たくさん過ごした気がするけど多分10分ちょいくらいなんだろうなあ。
ふと、ダメもとでナビの給電線を抜いてもう1度セルスイッチを祈りながら押してみたところ…
「キュルルルル、ブォン!」
かかった!かかったよおい!かかった!
すっげーうれしい!ちょううれしい!めちゃくちゃうれしい!
なんでかはわかんないんだけどもとりあえず動けるようになったのでロードサービスにその旨を伝えて先に進むことに。とはいえ「エンジン止めたら次はもうかからないかもしれない」という不安は抱えたままです。とりあえず電気を使わないようにして、走れるだけ走り続けて、バッテリーが無事に回復してくれていることを祈るしかありません。
そんなわけでレークラインはノンストップで走り続け、不安のタネを抱えたまんまなので今ひとつ気分も乗らないまま「磐梯吾妻スカイライン」へ。もう道を楽しもうなんて気持ちはとっくに失せてます。とにかくノンストップで街まで出てバイク屋を探そう。
…と思ってたんです、が。
スカイライン途中にある浄土平で、思わず景色に息を飲んで止まってしまいました。なにここすごい。
一面の荒れ地。そのむこうには噴煙が上がっていて、硫黄のにおいが立ちこめてます。「気分が悪くなったらうんぬん」的な注意書きもある。
別方向を見ると一面の湿地帯…なのかな。トレッキングコースもあるようで気になります。気になるけど、あれ行ってたら1日終わりそうな予感があるくらい先が見えない。
また別方向を見ると延々と頂上に向けて階段がのびてる。看板には吾妻小富士とあります。階段の先、何があるんだろう。
走りにきただけのつもりだったので、まったく観光地のチェックしてないんですよ。なのであの丘の先に何がひろがってるんだか、まるで想像もつきません。
ひろーいひろーい一大パノラマが広がってるとか、そんななのかな。
どうにも気になるので、とりあえず腹ごしらえを済ませた後で、こっちは登ってみることにしました。「エンジンかかるかなー」という不安は抱えたままです。
最悪ロードサービスを呼ぶことになった場合に、ここで夜は迎えたくない。ガス噴き出しまくりだし、雪が残りまくってるぐらい寒い。
ふとiPhoneを見たら圏外の文字が。なんかすげーイヤな予感しかしません。
えっちらえっちら登ってみたら、そこに待ってたのはどでかい穴ぼこでした。
これ、火山だったんだ!
穴ぼこの対岸にいる人間が点ぐらいにしか見えないほどのでかい穴ぼこ。もっと広角のレンズ持ってくればよかった、写せないじゃん!と悔やむほどのでかい穴ぼこ。すげえ、穴ぼこすげえ。
こんなでかい岩がゴロゴロと転がってます。立ちこめる硫黄のにおいとあいまってまさに死の世界。昔学校で習った「象の墓場」って光景が頭の中にチラチラ流れたり。
穴ぼこを一周ぐるりと歩きながらふもとを見下ろすと、「うひょ」と声が出ちゃいそうな道が広がってます。あーエンジンかかるといいなー。
で、エンジン。無事にかかりました!バッテリー死んでなかった!良かった!
やったあああああとか思いながら先ほど眺めた道を進むと景色がゆがんでることに気づきます。寒いくらいなので熱とかじゃない。道路脇の看板に「ガスが噴出してるからここらへんで止まるな」の文字が。
これガスか!ガスでこのへん一帯の景色がゆがんで見えるのか!
またまた「象の墓場」って文字が以下略。
そうして小一時間ほど走るとスカイラインも終わってふもとの街につきました。
もう心身ともへとへとになっちゃったんで、再び観光道路を往復して帰る予定はパス。街でガソリンを補給したら、近くのスーパーで食材とビールを買い込んで高速に乗って帰りました。高速で…っていっても、これだって結局2時間くらいかかるんですけどね。
「もう今日は色々あって疲れ切っちゃったから、焼き肉とビールで心を癒すんだ」
そんなことを思った夜の1人パーティーは、すさまじい量の蚊の大群襲来によってそれはそれは恐ろしい地獄絵図になりました。
どんだけ振り払っても、視界にうつる自分の体に、常時2桁くらいの蚊が取り付いてきてる。さすが湖畔。しかも蚊にまぎれてなんか噛まれたら痛い虫までちょこちょこ攻撃してきてるし。なんだこいつ。
蚊は二酸化炭素に引き寄せられると聞いたので、「お前ら全部引き寄せられて燃え尽きやがれ」と大虐殺を画策してみた焚き火の図。
大勝利でした。
きれーいに虫がいなくなり、勝利の美酒に酔いしれる2日目の夜でありました。
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